第81話 (胸糞注意。読む際ご注意下さい) ページ34
桜乃side
目を覆いたくなる様な光景が、目の前に広がっていた。
耳を塞ぎたくなる様な音が、悲鳴が響いていた。
「ほら、東は化物だ」
そうかも、と思わずにはいられない程、私の視線の先にいる彼は一方的で猟奇的だった。
指を折られた人が、次の瞬間蹴り飛ばされ転がっている。口からは吐瀉物、目からは涙が流れていて。
私はその光景を、現実だと思えないでいた。
「……弱ぇな」
そう、せせら笑う。
それが合図だったのか、止まった音が雄叫びで煩くなって。何人もの人がAさんに向かってく。
殴って、蹴って。
その後に響くのは物騒な音ばかり。
人数が多いのもあってAさんも殴られて蹴られて、綺麗な顔に傷を作っていて。
頬は腫れて、鼻と口の端からは血が垂れている。
Aさんが垂れている血を自身の肩口で拭う、その時誰かが持っていた一斗缶で彼の頭を殴った。
その光景は、やけにゆっくりで鮮明に見えて。
思わず「ひっ」と小さな悲鳴が私に口から漏れた。
ガンッと、大きな音がしたけれどAさんは「痛ぇな、おい！」と声を荒げて一斗缶ごと蹴り飛ばしていて。
転がった人を何度も何度も踏み潰して、動かなくさせている。聞いたこともない声音で「汚ねぇなぁ」って。
そう、笑ってた。
「あれが、君の恋人の本性。東 Aの、本当の姿。……牙は抜けてないようだ」
私はAさんが殴って蹴って、どこからか拾い上げた釘バッドを振り回していて……_______。
気付けば、そこに立っているのはAさんだけだった。
腕や、足があり得ない方向に曲がって転がっている人達。殴られた鼻が曲がってしまっていて顔が血だらけの人もいれば、折れた歯らしきものが地面に転がっていたりしている中で、Aさんだけが立っている。
そんな光景に、私は唇を震わせて顔を覆う。
怖い、側に居てはいけない、危険。
そんな感情が渦巻く中でも、私の中の恋心は消えることなくて。
本当だったら、この恋心が冷める場面なんだろう。
朋ちゃんなら、きっと反対する。……ううん、朋ちゃんじゃなくても反対するだろう。
私が朋ちゃんで、朋ちゃんが私と同じ立場だったら、絶対反対する。
なのに、どうしてだろう。
「あとは、南。お前だけだな」
「やっぱりこいつら呆気ない」
知らない笑顔を浮かべるAさんを。
鋭い目を向けるAさんを、もっと知りたいと思ってしまうの。
それは、危険すぎる好奇心？
それとも________。
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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (
レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか？ (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2020年9月4日 12時
