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第75話 ページ28

西side




最近、Aが素っ気ない。
その理由がサクノちゃんだって事は気付いてた。


「最近、Aに好きな子が出来たみたいでさ、素っ気ないんだよね」



Aの事は勝手に友達だと思っていた。

唯一の友達とか、小っ恥ずかしい名前の付く親友でもない。……俺の中では沢山いる友達のうちの一人だ。
逆にAの中での俺は、多分よく話掛けてくるうぜー奴。話しかける度に鬱陶しがってるのは、眉間に出来る皺の深さで感じていた。

Aは不思議な奴だ。
何を考えているか分からない奴で、Aも恐れられていた。でも殆ど学校に来ないからか、双子の妹である乙女ちゃん程は怖がられてはいない。

出席日数に不安しかない奴だが、気紛れに登校しているのは間違いなかった。


そんなAが、真面目に学校に来ていて驚いたよ。
だから、俺は適当に「彼女でも出来た?」と聞いてみただけだったんだ。

まさか『自分に全く興味のない女と付き合うにはどうしたらいいのか?』なんて友達にする様な質問をしてくるなんて。

どうやら、今まで誰にも本気になったことの無いAは本気でサクノちゃんという女の子を好きになったらしい。



それを俺に相談してきたって事は、俺はあいつにとって『友達』ってこと?

その疑問は、まるで全く懐かなかった猫に手を舐められた時と同じ感情を生み出していた。

どうにかAの役に立ってやりたい、そんな気持ちでアドバイスをした。

大したアドバイスなんて出来てない。



だって、A好みの子は絶対にAを好きにならないのだから。

寧ろA好みの子でAを好きになるのはミレイちゃんのように、結局変わってしまうから。


だから、Aの初恋成就の為に、俺が協力してやろう。
少しずつ色んな奴の弱みを握って、愛しのサクノちゃんを襲わせたフリをさせて、それをAに助けさせて吊り橋効果で……ってのを考えてたんだけど。

その間にAが素っ気なくなってしまった。
俺が協力する前に振られちゃったかと思って乙女ちゃんの所へ行ったら、殴られちゃうし……。


で、そんな胸の内を、彼女達に聞いてもらいたくて。あくまでも世間話の様に口にしたんだ。

マリちゃんは「どんな子なんだろうね」って笑ってて。
ミーナちゃんは「やっぱり清楚な子じゃない?」って。
キョウカちゃんは「この学校の子じゃないかもね」って。



その中でミレイちゃんだけは「へぇ……」って面白く無さそうに唇を突き出していた。

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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか? (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年9月4日 12時

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