第72話 ページ25
主人公side
「今日は朋ちゃんと帰ります」
画面に映る文章を煙草を咥えながら呟いた。
揺れる煙草の灰が屋上の地に落ちるが、気にせずフェンスに背を預けたまま、咥えながら煙草の紫煙を吐き出す。
『気を付けて帰れよ』
そんな文章をフリックして返信した。
桜乃ちゃんと付き合ってそろそろ一ヶ月が経つのだが、未だにでこチュー以上には至っていない。
俺としては、そろそろ唇に……とは思っているのだが、彼女には刺激が強過ぎるようで中々踏み込めずにいる。
ゆっくりでもいい、ペースを合わせるとは言ったが、そろそろ限界。どうやら堪え性がないらしい。
「コーヒーでも飲みに行くか……」
ギリギリまで吸い出した煙草を携帯灰皿へと入れ、薄っぺらい鞄を抱えて屋上のドアを開いた。
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桜乃side
「あなたが、サクノちゃん？」
学校の門で朋ちゃんを待っている時だ。
乙女ちゃんとはまた違う、どこかキラキラした派手さを感じる女の人達から私は声を掛けられた。
高等部の制服を着ているからきっと高等部の人なんだろう。
いきなりの事に口吃りながら「はい。その、何か……？」と返事をすると、目の前にいる女の人達は少し目を見開いてから、また貼り付けたような微笑み浮かべる。
「実は、東くんのことでお話しがある人がいて。その人から呼んできてってお願いされているの」
緩く巻かれた髪を指で巻きながら笑う女の人は、Aさんの同級生と口にしてから「着いてきてくれる？」と目を細めて微笑んだ。
「私、友達と帰る約束をしてて……」
「どうやら急用らしいの。それに、東くんが怪我をして動けないって……」
眉を下げながらそう口にした女の人は、私から視線を逸らしてスマホの画面を確認していた。
「だっ大丈夫なんですか！？」
「話があるって言うのが東くんの親友なんだけれど、その彼から今連絡があって」
そう言って見せられたのは『西くん』という名前の人からのメールで、添付されていた写真にはうつ伏せで倒れている男の人が写っていた。
顔は見えなかったけれど、メールには『Aがやばい』と綴られて、写真の男の人はきっとAさんなんだろう。
「二人のいる所まで、着いてきてくれる？」
その言葉に頷いてしまった。
只々、Aさんが心配で。居ても立っても居られなくて。
朋ちゃんには急用ができた、そんなメールを送って。
私は女の人達の後を着いていったのだ。
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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (
レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか？ (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2020年9月4日 12時
