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第70話 ページ23

リョーマside




「本当に来てくれたんだ!」



そう笑う竜崎は、まだ見慣れない女子テニス部のレギュラージャージを着て、見た事のない白いラケットを抱えていた。



「まぁな!で、竜崎は何に出るんだ?」

「ダブルスとか?リョーマ君はなんだと思う?」



堀尾のでかい声に片耳を塞ぎながら、「オレと一緒ならシングルス3じゃない?」とか冗談で言ってみる。



「え?」

「竜崎がシングルス3とか、それ捨て試合だろ!」

「堀尾君!」



目を丸くした竜崎と、笑う堀尾。そんな堀尾を諌めるカツオ。ぼんやりと眺める先の竜崎は綺麗に笑って「リョーマくん凄いね。あたりだよ」なんて優しい声を出していた。



「あ、そろそろ時間だから。私行くね!」



知らない竜崎が、知らないラケットを持ってコートに入って行く。

堀尾は終始竜崎を信じていない様子だったが、小坂田が掴みかかって静かになった。ギャラリーの少ないコートに、ポンタを片手にコートを見つめる。

あの竜崎が、どれだけ出来るようになったのだろうか。

女子テニス部の実力は知らない。
だって興味もないから。



『ザ ベストオブ______ 』



審判の声が響く。
コート内には、竜崎と他校の三年生。緊張をしている竜崎と相手を見比べると、見るからに経験の差が伺えて、堀尾の言う通り捨て試合なんかじゃ、なんて。



『竜崎サービス トゥープレイ!』



でも、ボールを投げてラケットを振るフォームは、誰よりも実力のある者のように見えた。















「まさか、竜崎が6ー1で勝っちゃうなんてな!」



男子テニス部の集まるコートへ向かう道中に、三人は竜崎の出た試合に未だ興奮気味に話に花を咲かせていた。

温くなり炭酸の抜けたポンタを手に、未だ信じきれない試合結果に、オレは呆けていた。



「越前!いつ竜崎にツイストサーブなんて教えたんだよ!」



堀尾の声と共に振り返る三人の目が刺さり「知らない」と口にしてポンタに口を付けた。



「知らないわけないだろ!?」

「僕たちにも色々教えてよー!」



不味くなったポンタを流し込み、缶を潰してゴミ箱に思い切り投げ捨てた。

ガシャンッと大きな音を立てて入った空き缶は、バウンドして空き缶の山に積み重なる。



「お、おい越前?どした?」



何故か無性に苛立つのはどうしてだろう。

テニスが上手くなったからなのか。

それとも教えた訳じゃないフォームからなのか。



「……竜崎のくせに、生意気じゃん」

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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか? (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年9月4日 12時

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