正夢『黎斗』 ページ25
『ねぇ 待って！ ねぇ、黎斗！』
あ、まただ、、。
私、今、また同じ夢を見てる。
貴方が突然背を向けて、私を置いて歩いていく夢。
追いかけたいのに、足が重たくて動かないの。
少し振り返った貴方の顔が、どんな表情なのか見たいのに
涙で全部滲んで何も見えないの。
『黎斗！ 黎斗！、、、待って！！』
でも、本当に夢なの？？
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「A」
あぁ良かった、やっぱり夢だったのね。
「A、うなされてまた泣いていたよ」
そう言って貴方が私の涙を指で払って、優しく頭を撫でてくれる。
そのままそっと私を抱き寄せて、小さい子を寝かしつけるように
背中をとんとんと軽く叩きながらそっと耳元で囁いてくれる。
「A、大丈夫。私が側にいるよ」
「黎斗、ありがとう」
「怖い夢を見たのかい？ ずっと私を呼んでいた」
「ええ、とても怖い夢だったの」
「でも大丈夫。例え君の夢の中でも、私は君を助けに行くさ」
そう言ってくれる黎斗の言葉も、頬や胸から伝わる温もりも、私を安堵させてくれるのに
『黎斗が私を置いて去っていく夢』だとは、どうしても言えなかった。
それはなぜだが自分でもわからない。
口にしてしまえば、きっと黎斗はその綺麗な唇で笑い飛ばしてくれるに違いない。
そう思うのに、あの夢の話だけは決して口にしたくはなかった。
黎斗の唇が触れる。
暖かくて柔らかな感触は
そのまま私の中に染み込んで
目を閉じだ私を時間の狭間で幸せに揺らす。
その目で見つめられたら
晒すことも、心を離すことも出来ないほど
黎斗に囚われていく。
どんな時も
私を慈しんで愛してくれるのに。
何度もあの夢を見る。
あの夢。
そう、夢。
あの日までは夢だった。
「ねぇ 待って！ ねぇ、黎斗！」
あ、まただ、、。
私、今、また同じ夢を見てる。
貴方が突然背を向けて、私を置いて歩いていく。
だけど、、、、私の足は貴方を追いかけて必死に走った。
『夢じゃないの、、、？』
息が切れて、もう涙も枯れ果てた。
やっと数メートル先に貴方の背中が見えて
ゆっくりと貴方の顔が振り返る。
あの夢ならば
貴方がどんな表情なのか
涙で全部滲んで何も見えないはずなのに
ああ。
貴方の顔を見てしまった。
愛を囁いてくれた唇が
冷たい微笑みを浮かべて
貴方の横顔を彩るのを。
終
捕らわれの姫� 悒哀薀侫．ぅ函戡�←悲しいクリスマス��『グラファイト』
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moon791(プロフ) - おお！久々に更新されていて嬉しいです。続きを楽しみにしております。 (2019年9月26日 5時) (
レス) id: 5e8cd81772 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 花恋さん» この前、ツイッターでお写真見られました！元気そうで良かったです（≧∇≦） (2019年2月27日 5時) (レス) id: 526e5a9f3e (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - 大我の中の人…インスタには一応いますよ。投稿まだ一個ですけど(>_>) (2019年2月14日 16時) (レス) id: eb6c37d723 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» おかしなコメント、消えたみたいですね。ありがとうございます。 (2018年8月10日 6時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
Hyui(プロフ) - 零久さん» 幸恵さんだよね？こういう暴言やめなよ？ちゃんと消して (2018年8月4日 22時) (レス) id: d26fc2b26a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おおさきまいこ | 作成日時：2018年5月4日 4時
