【イナズマイレブン】Hide and Seek【オリオンの刻印】 (ページ41)

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Dream story.038 ページ41

「監督、一体何が……きゃっ？！」

いざ施設に来たものの、左側から突然タイヤが飛んできたために遠くまで吹き飛ばされる。

「え……っ、朱月さん大丈夫？！」

「ケホッ、カハッ……っ、いきなり何するの」
「一星は俺たちの練習に付き合ってもらってたんだ……。だから、一星は悪くないんだよ！」

キリキリと、一昨日の試合の時にやられた鳩尾にまたもや当てられたために、壁に手を添えながらその場を立つ。
咳をすれば体に力が入らなくなったが故にしゃがみこみ、嗚咽を交えながら息を吐く。

暫くしてから意識がはっきりとなり、機械を操縦する一星を小さく睨みつける。
だが、それに対して明日人さんはアイツを庇う御託を並べるのだ。

……厄介な天然物の出来上がり、と言ったところ。

「おやおや、皆さん大変なことに……って。
朱月さん！大丈夫ですかァ？！」

お腹を抱えながら肩で息をするのも終わり、自由に呼吸できるようになった私は、"普段通りの自分"を作り上げる。

その場で立ち上がり、いつも通りの笑顔を張りつけた。

「はい、大丈夫です。タイヤが飛んできて驚いただけなので」

そう言いながら、靴裏で自分の吐き出した物をガリガリと広げる。

先程口を抑えた右手と靴の裏、それから広げた場所には、汚い色がこびりついていて。
広げた場所は、すぐさま色を消してしまった。