【イナズマイレブン】Hide and Seek【オリオンの刻印】 (ページ11)

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Detour story.009 ページ11

──……心地が、おかしい。

先程まで横たわっていたはずの感覚がしない代わりに、足の裏からのみ何かが張っている感触があるのだ。

何だろう、そんな思いのみで恐る恐る目を開いていく。

目を開けばそこには。
地面一面全てに夜空を映し出したかのような、コバルトブルーの色を放つ水面があった。
…その水面より下に、体が沈むことは無かった。

『ねぇ＊＊ちゃん』

ノイズにかき消され、誰かの名を呼んでいたであろう言葉は聞き取ることが出来ず。
それでも体は、知らずに湧き出た好奇心のみによってどこかへと弾かれるかのように動き出す。

『なぁに、＊＊くん』

どこかで聞き覚えのあるはずなのに、その言葉が分からないからなにも思い出せない。

…この記憶は一体誰のもの？
私はまた見てしまっているの？

意識はどこかに消え去ったかのように、というよりも何かに操られていくかのように体は別の淡い緑色の光を発する場所へと向かってゆく。

...違う、これは私のものでは無い。

そう言い聞かせて別の場所へと行こうとするも、
私の体はいうことを聞いてくれやしない。
強い磁石に引き寄せられるがごとく、足が引き寄せられてゆく。

まるで、なにかを思い出せとでも言うかのように。

“私はずっと苦しい”
“あなたは、どうして忘れてしまったの?”
“早く思い出して、壊さないで”

手のひらが光の場所に着いた途端、頭の奥には幼げな声が響き渡るのと同時に私は目を閉じた。