俺の嫁は…。【雪橙】

俺の嫁はたまに怖い。 ページ33

向井康二、やらかしました。


『何回目？』
向「ごめんなさい！」
『ごめんなさいじゃなくて何回目って聞いてるんやけど』
向「覚えてないです…」
『覚えてないくらいやってるってことは覚えてないくらいやめてって言ってるってことやんな？』
向「はい…」


Aちゃんは優しい。急にご飯いらんくなったって言うても「お仕事やもんしゃーないよ」って許してくれるし、俺の生活リズムに合わせてくれるし、大抵の事は笑ってくれてる。
でも、Aちゃんにも譲れんもんはあって…


『康二くんのやったら別に文句言わんよ？でもさ、これ私のやん』
向「はい」
『私、本に型つくの嫌いって何回も何回も何回も何回も言うてると思うんやけど耳ついてなかった？』
向「おっしゃる通り何回も言われてました」
『じゃぁなんで開いて伏せてるん？何でもいいから栞挟んでって言うてるし、なんなら一冊一冊最初のページにメモ帳挟んでるからそれ使ってって言ってるやん』
向「はい」
『はいって言うならなんでしてくれてないの？』
向「ちょっとだけの予定で…」
『ちょっとだろうが1秒だろうが私の本から手を離すなら栞して』
向「はい」


自分の漫画や小説、雑誌に変な跡が付くのが嫌でちょっと離れるからと言って本を伏せて置くのは勿論、栞代わりにペンとかを挟んでもダメ。栞かメモ帳のように薄い物を挟んでキープしないとこの通りめっちゃ怒る。いつもニコニコしてるのに怒る時は無表情で淡々と話すから結構怖い。

他にも本棚の本の位置。飾ってるぬいぐるみの位置。これらが変わってたりズレてたりしても怒る。
まぁ本は元の場所に戻すだけやしぬいぐるみとかは俺は触らんからあんま怒られたことないけど…本はよく漫画とか借りてたまにやってしまう。
通知がきたスマホの確認のためにちょっと置いて見つかって怒られる。


向「ごめんなさい！！」
『康二くん』
向「はい…」
『私、今めっちゃチョコ食べたいなぁ。高いやつ』
向「買ってきます！！！」
『それに合いそうなお酒も欲しいなぁ』
向「それも買います！！」
『いってらっしゃい』
向「行ってきます！！！」


許してくれる品を提示してくれるのはありがたいけど…前にやっちゃった時はフルーツ沢山乗ったケーキやったっけ…その前はケーキ屋さんのシュークリーム…その前が喫茶店のテイクアウトプリン…その前が…忘れた。でもあれな…回を重ねるごとにグレードアップしとんねんな…。
とうとう「高い」って言い始めたし、もうせんけどもし次があったら何買わされるやろ。

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