【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ8)

今日:33 hit、昨日:3 hit、合計:65,086 hit

108話ページ8

G5にも慣れてきた頃、海軍基地から離れたとある島を巡回するため、たしぎと共にAは久々に軍艦に乗った

｢軍艦に乗って仕事に行くのは本当に久しぶりです｣

｢なら、誘ってよかったですね｣

向かう途中Aが思わずそう言うと、たしぎが笑顔でAの方を向いた

だがしばらくして少しだけ表情が曇る

｢向こうの島についてから、少しお話したいことがあるのですが、いいですか？｣

Aはもちろんと頷く

｢大丈夫ですよ……その、私でよければ｣

そのうち島の影が見えてきて、軍艦は目的地へたどり着いた

この島は以前海賊に襲われたところを助けてもらったこともあってか住人たちは海軍に対してとても好意的だ

Aとたしぎは船の管理を部下たちに任せ、あとは2人で町の内部へと歩き出した

始めの方は特に何も話さず、見回りという形で2人とも歩いていたが、ふと、Aが言った

｢この島、不自然なほど子供の声が聞こえませんね｣

｢やっぱり気づきましたか｣

たしぎがそう答えてさらに続けて話そうとしたその時、近くの家の扉が開いて中から1人の女性が出てきた

｢たしぎ大佐、どうでしたか？私の娘は、本当に、事故なんですか…？｣

泣きそうな声でそう言っている女性に、たしぎは小さく頷いた

Aは何も言わず黙って見ている

｢私の上司で、G5の基地長でもあるヴェルゴ中将にも調べてもらったのですが、やはり事故であると…｣

｢…そんな、｣

すると、他の家からもこの女性と同じような人達が、男女問わず次々とたしぎとAの周りに集まった

｢本当に事故なんですか？！もう一度調べてもらうことはできないんですか？｣

｢事故にしてはあまりに不自然で…それにこんな突然、皆が事故でいなくなるなんておかしい……｣

口々に言いながら嘆く彼らを見ていると、特に説明はされなかったAも状況を飲み込めた

｢消息不明の子供たちの捜索依頼、というとこですか？｣

Aが言うと、今までたしぎに詰め寄っていた人達はAの方をちらりと見る

｢申し遅れましたが、海軍中将のAと言います｣

名乗ったことで、皆ようやく目の前にいるAと、新聞で語られているAとが一致して安心したようだ

｢頂上戦争の…｣

1番初めに声をかけてきた女性が言いかけるのをAは遮るように口を開いた

そんな無駄話をしに来たわけではないのだ

｢もう一度、調べましょう｣

Aがそう言うと、彼らは安心したように涙を流した