【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ19)

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119話ページ19

浅い眠りから覚めると船の揺れを微かに感じる

身体は未だ薬の負担が抜けず絶不調だった、それに妙にイライラした

薬が切れている、という状態が長く続いたせいだろう

腹の傷もあまり調子が良くない

早く別の島に着いてもらわないと、自分でも自分がどうなってしまうかわからない

ただ、ドレスローザから出た後のことをあまり考えていなかった

本当はドフラミンゴの件を海軍本部に訴えたかったが、Aが呆気なくドフラミンゴに捕らえられたということが広まるのはあまりに屈辱だ

海軍に戻るより、このまま辞めた方がいいかもしれないとすら思っている

それに、Aはこんな状況ではあったがドフラミンゴがどうして自分の記憶を消そうとしていたのかが気になって仕方なかった

それを知るためにはおそらく海兵ではもう無理だ

何を優先すべきか、そんなことを考えているうちに遠くから声が聞こえてきた

｢あと5分でパンクハザードに着くらしい｣

｢意外と早く着いたな｣

そんな他愛ない会話だったがAは自分の運の悪さに絶望した

世界政府の実験が失敗した無法地帯であり、クザンとサカズキが己の信念を賭けて戦った場所

世界政府が立ち入り禁止にしているのに何故ここに人が、という疑問はあるがどっちにしろAの体調を良くするのに優れた場所ではないことだけは、よくわかった

だが、このまま船にいてもまたドレスローザに引き戻されるだけだ

船が停止してから少し経つと、Aは意を決して静かに船から降りた