アモーレ、たまごたち！

第三愛：解釈の問題 ページ10

「うわぁあああああああっ！？み、み、み、見て！見て仙様！ご尊顔だ！？五年生のご尊顔だよ！？拝んだらとてもいいことがありそうな気がするよ！？一周回ってドブに落ちたお賽銭を投げても将来安泰が約束されるんじゃないかと思っているんだけど仙様どう思う！？」

「私は五年生の顔を見慣れているし五年生の顔にご利益なんて無いから安心しろ」

「いや盛ったけど！ドブに落ちたお賽銭を投げても将来安泰が約束されるんじゃないかって話は盛ったけれども！」

ちょっと面白おかしくしてノリやすい話題を出したつもりだったけれど、仙様はだいぶ冷静に返してきた。こんなにテンションの高い私が馬鹿らしいじゃないか。もっとアツくなってよ！

「五年生。警戒しているようだがコイツは出会った瞬間からこうだ。天性のアホだ。演技の可能性も疑ったが発言に裏がないどころか裏を考える事すらしてないほどのアホだ。安心して良い。私が保証しよう。」

「仙様それ遠回しに私が何も考えてないって言ってるよね！？ち、違うよ！？推しに会えて嬉しいだけだよ！？普段はもっと思慮深くて慎ましやかでお淑やかで可憐で穏健で真心があって思慮深い美少女なんだよっ！？」

「「思慮深いって二回言った……」」

最早五年生は疑うことが馬鹿らしいみたいな顔をし始めた。なんて失礼な子達なの！？一応私の方が年上なんだけどな。日本の縦社会において年齢って大事なものだと思うんだけどな。なんなら天女様って言われるぐらいだから学園長より偉くても良くない？お菓子貢がれても良いぐらいじゃない？

「危険性は無い、と私は思うが……万一私が妖術にかかっていたらとお前たちは考えているんだろう。」

「「！」」

「ならコイツを預ける。先生方の長屋まで護衛してやれ。私は部屋に戻る。」

そんなことを言って、仙様は手を軽く振りながら帰って行ってしまった。ちょっと待ってよ、置いてくなよ！お前が案内するぜ(イケボ)って言ったんだろう！？！？

「先輩の頼みなら断れないなぁ。仕方ない。私たちが案内してやろう」

め、目が笑ってないよ！学園長を顧問とする名誉ある委員会の委員長代理ともあろう者が！笑顔のひとつすら浮かべられてないよっ！？抵抗虚しく、私の手首は鉢屋三郎に掴まれ、五年生と共に教師用の長屋へ引きずられて行ったのである。

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