アモーレ、たまごたち！

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「すぅーっ……はぁ……よし」

深呼吸をし、頬を叩いてスタンドマイクをゆっくり握る。

「み、三好A！花の十七歳！令和の時代では君たちと同じく学生をしていました！入ってた委員会は図書委員会！クラスの係は生き物係！部活は漫画部！もうなんか陰キャなんだなって一発でわかっちゃうね。

好きな物は本と花と寝ることと忍術学園の人間です！
嫌いな物は学校！あと先生！それから勉強！

皆のことは一方的に知ってるので名乗らなくて大丈夫です！皆のことを視界に入れると爆散して死ぬ病気にかかってるのであんまり関わらないかもしれませんし、皆も私のこと嫌いだと思うけど！話しかけてくれたらお姉さんすごい嬉しいです！以上！よろしくお願いします！！」

怒涛のマシンガントークに皆がついていけなさそうな雰囲気を醸し出し始める。辛い。泣きそうだよ？お姉さんこれでもメンタルは弱いよ？

「視界に入れると爆散して死ぬってどういうことだ……？」

ひそひそ話聞こえてるんだけど！！やめてそこ掘り下げないで！？私的にももっと言い方あったよなあって今反省中なの！賢者タイムがすぐに来るタイプなの！

「こういうことだ」

ハッとした。いつの間にか立花仙蔵が目の前に立っている。私の前髪を指で押し上げて。驚いたせいで開かれた目で彼を見た。病的なほど白い肌、細くてしなやかな指、すっと通った鼻筋、細められたアーモンド型の瞳に、濃い紫色のサラサラストレートヘア……。

「イヤァ゛ァァァアアッッッッッ！？！？！？？」

横に飛んだ。比喩でもなんでもなく横に飛んだ。そりゃもう綺麗に垂直飛びをした。いや横だから斜め飛び？とにかく膝のバネを使って飛んだ。

「ギャッ！」

地面に落ちた。痛い。善法寺伊作が仙蔵の肩を叩いて「やめてあげなよ……」と笑っている。は！？調合組、並ぶと百合じゃないですか！？近所に住んでるおっとりお姉さん×ドSな美女お姉さんってこと！？いやあそんなの描いちゃうよ！？一冊薄い本を仕上げてしまうよ！？

「んっふふ……ふ、んんっ……先生、天女様の案内は私がしましょう。」

「うむ！では立花仙蔵に任せる。解散！今日はもう授業はやめじゃ！放課後じゃー！」

ゆっくりと皆が移動し始め、立花仙蔵が私の腕を掴んで立ち上がらせた。

「さあ、楽しい楽しい校内案内だ。目をよく開けて(・・・・・・・)覚えておけよ」

「ドSこの野郎！！！！！！ありがとうございます！！！！！！」

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