アモーレ、たまごたち！

［火薬委員会］ ページ23

藤内と喜八郎の信頼をゲットし、あだ名呼びを許された(本人たちは不服そうだった)ところで、次の作戦へ移行することになった。ちなみに伝七はあだ名呼びをガチで嫌そうにしてたので普通に呼ぶことにした。

「さーて、次の委員会はー！？」

「毎回やるんですか？それ」

庄ちゃんの冷静なツッコミを華麗にスルーして教えて教えて！と強要すれば、伊助が手を挙げた。

「か、火薬委員会です」

「お！兵助のところだ！任せて任せて、火薬委員会はもう考えてあるからっ！」

おぉっと感嘆の声が上がる。期待の目が眩しい！日焼けサロンにいるみたい！行ったことないけど！

「それはね……」

「そ、それは……？」

「火薬委員会仲直り大作戦改め『一緒にご飯食べて笑顔を取り戻しちゃおう作戦』です！！」

大袈裟に腕を広げて宣言した私へ、「え？それだけ？」みたいな視線が降り注ぐ。いい案でしょ！このっ……お豆腐委員会が！(精一杯の暴言)

「おばちゃんが食堂に居るはずだから早速行こ！三郎次呼べるかな」

「よ、呼んで来ます？」

「ううん、一緒に行こ！」

そんなわけで二年生の長屋に来たんだけどめちゃくちゃ警戒されてて困るんだよな。近寄れない。

「……天女がなんの用だよ」

「火薬委員会仲直り大作戦改めて『一緒にご飯食べて笑顔を取り戻しちゃおう作戦』を実行するために池田三郎次の力が必要なので借りに来たよ！」

「名付けが安直！！」

青筋を立てて怒られてしまった。何で怒るのさ！ハイセンスなネーミングだろ！軍事作戦の名前がコレだったとしたら大佐が「採用！」って即座にハンコを押しちゃうよ！？むしろノーベルハイセンスネーミングで賞を受賞してもおかしくは無いよ！？

「それにっ、俺はお前のことまだ信頼してないんだからな！どっか行けよ天女！」

「はっ……ごめん、気づかなかったよ！二年生はツンデレ学年だもんね？素直になれなくても仕方ないよね？」

「何か意味わからんこと言ってる！全然口撃が効いてない！おい伊助、この天女どうなってるんだ！」

「作法委員会と学級委員長委員会の仲直りを成功させた人です！！」

「紹介をしろって言ってるんじゃ＿＿＿えっ？」

子犬のようにキャンキャンと吠えていた三郎次は、その言葉を聞いて動きをとめた。ありえない、というふうに目を丸くして、こちらを見やる。

「……そうなの？」

「そうだよ！もっと敬っていいよ！」

「それはないけど見直しはした」

〃→←〃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す