〃 ページ20
「彦四郎っ!」
「庄左ヱ門っ!」
天井から音が鳴ったと思えば、件の先輩二人はしゅるりとその場に降り立った。本当に忍者みたいだ!いや、忍者ではあるんだけど!
「今更何ですか?」
庄ちゃんはジロリと二人を睨む。彦にゃんは心配そうに先輩の二人と庄ちゃんを交互に見ている。
「え、っと……」
「僕らの話も聞かないで勝手に勘違いして逃げ回るような方々とお話することは無いんですが」
「え?」
どういうこと?と二人は目を丸くする。その様子を見て、彦にゃんが眉を下げて笑った。
「僕ら別に先輩方に怒ってないんですよ。アレは先輩方だけのせいじゃないって理解してますから。」
その言葉を聞いて、二人は泣き出しそうな顔をして。三郎は庄ちゃんを、勘ちゃんは彦にゃんをぎゅっと抱きしめた。
「ごめんなぁ……傷つけた挙句、自分たちの思い込みで寂しい思いさせて……」
「俺ら先輩失格だよぉ〜!怒っていいんだよ二人とも!」
「もう怒ってますけど」
「ちょっと庄左ヱ門っ!!」
庄ちゃんてば冷静〜……と涙を流す先輩を宥めるように後輩二人が背中を摩っている。何この図。逆じゃない?
「ほらほらっ!お菓子溶けちゃうから食べなよ!なんと天女様がお茶を淹れてさしあげちゃったよ!?今後あと十回くらいしか無さそうな機会だよ!?加護とか付いちゃってるかもしれないよ!?」
「注ぎなおすから一回それ捨ててくれないか」
「三郎!お前許さないから!いくら顔がいいからってなんでも許されるわけじゃないんだからね!?」
はいはい、と適当に流してなんだかんだお茶飲んでくれるあたり、やっぱり彼は優しいと思う。そんな彼を毒味係とでもいうように、勘ちゃんは彼の様子を伺って自分も飲んでいた。そんなに信用ないかな私!?もうマブダチだと思ってたんだけどもしかして私だけ……?
「何にせよ『先輩に会えない寂しい後輩の心に漬け込んで天女様が二人とも懐に入れちゃうぞ大作戦』は成功だね!」
「嫉妬させる作戦なのに嫉妬はされませんでしたけどね」
「いいのいいの、終わりよければ全てよし!結果オーライだよね!もっとお菓子出しちゃうから!三郎にはサルミアッキ出してあげるから!」
その後本当に出てきてしまったサルミアッキを三郎の口に突っ込み、あまりの味に彼が唾液をボタボタ垂らしながら私の胸ぐらを掴んだのはいい思い出になると思う。
63人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小桜(プロフ) - ほんっっっとうに面白いです! 夢主ちゃんの言うことに共感しかありません。そうですよね、忍たまキャラはみんな殺戮兵器ですよね、視界に入れただけで失神してしまいそうです。夢主ちゃんってアホだけどアホじゃない(何言ってんだ?)! 続きも楽しみにしてます! (2022年3月28日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - ( ・_______・ )くじら!さん» わぁ!ありがとうございます!音読して笑っていただけるの嬉し〜い!!私も音読して笑ってます!(うん?)夢主はこれからもハイスピードで駆け抜けていきます!楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年11月23日 15時) (レス) id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
( ・_______・ )くじら!(プロフ) - とても夢主ちゃんの(いい意味で)アホなところに面白くて笑っています!偶に音読して、さらに笑っています!(笑)お身体大事にして下さい:) (2021年11月12日 12時) (レス) @page26 id: 4f01b1638d (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - いちごもんすたーさん» ありがとうございます!ちまちま更新頑張ります! (2021年9月20日 11時) (レス) id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー(プロフ) - 夢主さんのオタク発揮具合がめちゃくちゃ面白いです(笑)更新楽しみにしています!お体にはお気をつけて (2021年9月16日 21時) (レス) id: c5f21f47da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/
作成日時:2021年9月15日 16時