アモーレ、たまごたち！

〃 ページ12

ぽかん、と口を開けて驚いていた五年生は、私が顔を赤くして塞がれていない腕で覆い隠したのを見て頬を緩めた。

「照れてるのかぁ〜？中々いいこと言うじゃないか。」

「そうそう、考え無しのアホじゃなくて、ちゃんと考えられるアホだったね！」

「アホなことに変わりはないのっ！？ていうか君たち笑顔が可愛いね！？私のお嫁さんになってくれてもいいんだよ？」

「夫婦にはなりたくないってさっき……」

「前言撤回！！旦那じゃなくて嫁になって欲しいな？それならOK？」

「アウトだよ！」

さっきの神妙な顔が嘘みたいに、八左ヱ門は笑った。うんうん、忍たまは笑顔が似合うよ。にしても彼は笑うと三歳くらい幼くなるね？笑った顔で証明写真撮ったら年齢詐称を疑われてしまうよ？

「……というか私と雷蔵の見分けがつくんだな。どこで見分けた？今後の参考にしたい」

わりと真剣な顔で三郎が私の目を見つめた。やだっ、そんなに見つめられたら恥ずかしくって顔が爆散しちゃいそうだよ！

「鉢屋くんはほら……完全になりきってない時の声が不破くんと違うから！なんていうかこうシコ……ンッンー！鉢屋くんの方が色っぽい声してるよね！鼻にかかった声って言うの？そういうやつ！」

「すごく失礼な発言をされかけた気がする。そうか声か……今度イタズラする時は気にした方がいいな」

「その前に僕の顔でイタズラするのをやめて欲しいんだけどな？」

「うっ」

「雷蔵はちゃんと怒らないからだぞ。三郎はお前の優しさに甘えてるんだから」

そうそう、と他の三人が頷く。まるで彼氏の浮気癖を咎めないせいでどんどん悪化させてしまう無自覚ド寛容彼女に忠告をする女友達みたいな雰囲気になってきた。

「やっぱり仲良しだね！」

私がそう笑うと、だろう、と皆が笑う。三郎はちょっと恥ずかしそうにしていた。そ、そういうところだぞ！？読者が求めているものをそうやって軽々しく出しやがって！

「あ、そうそう。お近付きの印に私からあだ名を贈呈したいと思っているんだけどどう？天女様からの施しだよ？欲しすぎるよね？」

「正直要らん」

「オッケー！もうあるんだよねっ、勘ちゃんとハチは確定事項！ほか三人は名前短いからそのまま呼ぼうと思っててね！」

「要らんって言ったの流した上にあだ名じゃないの凄い複雑な気持ちになるな！？ほらもう部屋着いたから帰れよ！」

「ありがと！優しいな三郎よ！」

「誰だよお前もう……」

第四愛：頑張りどころ→←〃

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