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「うそつき」 ページ6

「私には双子の弟がいるんですけど、その子凄くズボラで……男の子って、そういうものなんですかね?」

「さぁ……でも女性はわりと細かい人が多いですよね。とくに面倒見のいい人は。」

「そういうものですか……あ、もしかして貴方の知り合いにそういう人がいるんですか?」

「えぇまぁ。お母さんのような人ですよ。」

「頼れる人なんですね……あ、あと私はクラス委員長やってるんです。」

「あぁ、確かに真面目そうな見た目してますよね。言葉遣いもしっかりしてますし。」

「そうですか?貴方も言葉遣い丁寧ですよね。」

「ふふ、ありがとうございます。」

話してみると益々優しい人なんだなと思う。いつも人の話を聞いていたから私は聞き専なのだと思っていたけど、静かに話を聞いてくれる人がいるっていうのはこんなに安心するんだなあと実感する。

「!お嬢さん、今日はこれでお暇します。」

「あ、もう結構経っちゃいました……?」

「いえ、そういうわけでは……」

キッドが言葉を濁す。どうしたんだろう、と思った時だった。コンコン、という軽快な音が部屋に響いた。ノックだ。誰だろう。

「A、起きてる?」

「!」

菜摘だ。今朝私の様子がおかしかったから見に来たのかも。

お嬢さん、と小声で呼ばれる。振り向くと、彼はもうベランダの手すりに立って飛び立つ準備をしていた。

「また、次回。」

「待ってますね」

ふわりと彼の体が落ちたかと思うと、夜空に羽を広げてふわふわと飛んでいた。

後ろでドアの開く音がした。

「A起きてるなら返事してよ。何してたの、窓なんか開けて。」

不機嫌そうな声で菜摘が話しかけてくる。なんて言い訳をしたらいいだろう。


______あぁ、そうだ。

「悪い夢を見たから、夜風に当たってたの。ごめんね心配かけて。」

ニコリと笑いかけると菜摘はそっか、また見たら教えてと安心したように零した。

……嘘ついてごめんね。

「救助」→←「話をしよう」



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乃花おむ子(プロフ) - 白。さん» ありがとうございます!これからも気が向いた時にちまちま続編というか、後日談の「Secret Lover」更新していきますのでよろしくお願いします!レス返すの遅くなってしまいすみませんでした〜! (2020年2月19日 19時) (レス) id: 6c075283b8 (このIDを非表示/違反報告)
白。 - コナン知ってて、まじ快知ってて、あんスタまで知ってるとは…。作者さんとはお友達になれそうです!偶然見つけた作品なのですが、良いのに当たりました。他の作品も楽しみにしてますね。ささやかに応援します。 (2019年5月7日 20時) (レス) id: 0235a92526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/  
作成日時:2019年4月13日 20時

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