「全部夢。」 ページ18
夜、なんとなく彼が来る気がして眠れずにいた。
コンコン、とノックの音が聞こえてハッとする。ふと窓を見ると、人影が写っていた。
窓に駆け寄って、カーテンを開ければ見慣れた白が目の前に立っている。
「昨日はだいぶピンチだったみたいですね」
窓を開けながら言うと、彼は苦笑した。
「えぇまぁ。厄介な追っ手がいましてね」
話を聞く間にも、彼の体を目視する。衣装はピカピカだしどこも解れていない。彼の様子から察するにそんなに酷い怪我は負っていないみたいだ。よかった。
「……!?お嬢さん……?」
「え」
そこで、私は自分の声が震えていることに気がついた。
泣いて、る?
「どこか具合が悪いんですか?だったら無理をなさらないで……」
「いえ、安心しただけです。」
「え?」
「貴方が無事で良かったって、安心してるんです……」
ホロホロと頬を伝って涙がフローリングを濡らす。彼はその真っ白な汚れのない手袋で涙を拭ってくれた。
「お嬢さん……」
その時だった。
背後から、ドアノブが動く音がした。
*☼*―――――*☼*―――――
私よりも早く彼が反応し、トランプ銃を構えるとドアに向けて撃った。
ドアの真横の壁にトランプが刺さると同時に、菜摘がドアの隙間から顔を覗かせる。
「A!?!怪盗キッド!Aに何を______」
菜摘が言い切る前にトランプが破裂し煙が充満する。煙を吸い込んだらしい菜摘はふっと気を失って倒れた。
キッドは私が煙を吸い込まないよう、マントで私を覆った。
「な、何……」
「睡眠ガスですから、ご安心ください。
さて……貴方を護る
もう貴方とは終わりにしないといけませんね。」
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乃花おむ子(プロフ) - 白。さん» ありがとうございます!これからも気が向いた時にちまちま続編というか、後日談の「Secret Lover」更新していきますのでよろしくお願いします!レス返すの遅くなってしまいすみませんでした〜! (2020年2月19日 19時) (レス) id: 6c075283b8 (このIDを非表示/違反報告)
白。 - コナン知ってて、まじ快知ってて、あんスタまで知ってるとは…。作者さんとはお友達になれそうです!偶然見つけた作品なのですが、良いのに当たりました。他の作品も楽しみにしてますね。ささやかに応援します。 (2019年5月7日 20時) (レス) id: 0235a92526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/
作成日時:2019年4月13日 20時