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『救助―Another―』 ページ12

それから約1週間。寺井ちゃんからビックジュエルの情報も無く、怪盗活動を休んでいた。

学校帰り、今日は珍しく青子が恵子と帰らないらしいので一緒に帰っていると、前方からあの少女___名前はAと言ったか___が歩いてくるのが見えた。

今日は友達と歩いているようだが、俯いていて何か考え込んでいるように見える。前を見ないで歩いていて危ないな、と思った時だった。彼女の友達は道路側を向いて信号で立ち止まったのだが……



彼女は気づかずに1歩前へ踏み出した。



今からでも間に合うか、いや、考えている暇はない。

気づいた時にはもう足は地面を蹴っていた。

____届け、届け、届け……


間に合え!!!!!!!______

自分の手が相手の腕を掴んだ。そのまま後ろへ引っ張る。彼女はそのまま倒れ込みオレにもたれかかった。

「おい!ちゃんと前見て歩け!危ねぇだろうが!」

感情的にそう叫ぶと、彼女は肩を揺らして恐る恐るオレと目を合わせた。

( やべっ……言い過ぎちまったか? )

自分の口が決して良い方ではないとわかってはいたが、感情的になるとそれに磨きがかかるようだ。反省。

その後勿論オレは青子に怒られたので彼女に謝ってそのまま帰った。残って色々聞かれたら面倒だからだ。

*☼*―――――*☼*―――――

予告日の夜中、彼女の部屋のベランダに降りたが彼女は居なかった。寝ているのか。コンコン、と窓をノックすると、足音と共に彼女がカーテンから顔を出した。

もう寝たのかと思った、と伝えると

「1週間も待ったんですから楽しみで仮眠取るの遅くなっちゃったんですよ」

なんて言うもんだから、何だか嬉しくなってしまって余裕ぶって子供扱いをした。

それから、彼女はあの時の話をした。不自然でないように話を聞いて質問をして______

ひゅう、と夜風がマントを揺らす。彼女は少し驚いたような顔をして、また考え込んだ。何を考え込んでいるのか。

そのうちぱっと顔を上げて微笑みながらオレにこう言った。

「まるで貴方みたいに優しい人でした。口調は荒かったですけど。」

バレないように苦笑し、また安堵のため息を小さくついた。





゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+


お気に入り1件、3日で100hitありがとうございます……!!!!

これからもチマチマ更新していくので暖かい目で見てください!

作者より

「窮地」→←『名前』



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乃花おむ子(プロフ) - 白。さん» ありがとうございます!これからも気が向いた時にちまちま続編というか、後日談の「Secret Lover」更新していきますのでよろしくお願いします!レス返すの遅くなってしまいすみませんでした〜! (2020年2月19日 19時) (レス) id: 6c075283b8 (このIDを非表示/違反報告)
白。 - コナン知ってて、まじ快知ってて、あんスタまで知ってるとは…。作者さんとはお友達になれそうです!偶然見つけた作品なのですが、良いのに当たりました。他の作品も楽しみにしてますね。ささやかに応援します。 (2019年5月7日 20時) (レス) id: 0235a92526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/  
作成日時:2019年4月13日 20時

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