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廊下にある椅子に座って頭を抱える。
『何で…』
最近は色々忙しく、ストレスを溜めていた時期でもあった。
でも、そのストレスを真逆メンバーにぶつけてしまうなんて…。
?:「あれ、Aじゃん。どしたの頭抱えて」
上から声がした。バッと顔を上げると、其処にはケンチさんがいた。
『…ケンチさん、俺どうしたらいいですかね…』
それから俺は、あった事を洗いざらい全て話した。ストレスが溜まっていた事、それをメンバーにぶつけてしまった事、そして、謝らずに出てきてしまった事…。
何度も涙が出そうになった。下唇を噛んで堪えていた。
ケ:「そっか…。Aも色々考えてたんだね…。よく頑張ったね」
そう言って頭を撫でてくれた。
自分が求めてたのは、こういう言葉だったのかもしれない。
こういう行動だったのかもしれない。
気付けば自分は、大粒の涙を流していた。止めようとしても、とめどなく溢れてくる。
『すみませ、』
ケ:「溜め込み過ぎたんだね。我慢しなくて良いよ」
そう言って背中をさすってくれる。誰も通らない、二人きりの廊下。其処で俺は、一生分の涙を流したんじゃないかと思うぐらい泣き続けた。
.
.
.
『ッすみませ、も、だいじょぶ、です』
どれぐらい泣きづつけたのだろうか。俺が泣いている間も、ケンチさんはずっと背中をさすってくれていた。時折頭を撫でてくれたりもした。
ケ:「大丈夫?
そうだ、ちょっと待ってて」
そう言うとケンチさんは小走りで廊下の向こう側に走っていって、見えなくなった。
暫くして、またこちらへ小走りに走って戻ってきた。
ケ:「目、真っ赤だからこれで冷やしておきな。あと、水分もちゃんと取るんだよ」
ケンチさんが持ってきたのは、タオルに包まれた保冷剤と、ペットボトルの水だった。
『ありがと、ございます…』
ケ:「ん、無理しないで、またなんかあったらSECONDのとこおいで。誰かしらはいるから」
『はい、ほんとにありがとうございました』
いま、このまま戻るのも気まずい。
連絡して帰ろうか…。
A俺、体調悪くなってきたから帰るって言っておいて。荷物は置いてって良い
そう龍ちゃんに送る。龍ちゃんは唯一らんぺの中で和樹の存在を知っている。だから俺の事も分かってる。
?:「オイ」
『っなんでここに…』
後ろには、到底想像つかない人がいた。
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雑多おむらいすVII(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです! これからも頑張りたいと思いますので、宜しくお願い致します! (2019年11月16日 21時) (レス) id: 368f6167fa (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - 作品初めて読みました!最初から最後まで読みましたが続きが気になります。楽しみにしてますね! (2019年11月16日 10時) (レス) id: ac04f3e538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雑多おむらいす | 作成日時:2019年11月6日 23時