検索窓
今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:27,888 hit

ページ3 ページ4

男を押さえ付けていたAに他の魔道士からの攻撃が向かう。それを躱すと同時にアスタの剣が霧を切り裂いた。何で村人を殺そうとしたんだと叫ぶアスタに男は数秒黙った後にゆっくりと口を開いた。



「この村は下民の住む"恵外界"だ。恵外界にいるほとんどは生活で多少役に立つ程度の魔法しか使えない劣等種…まるでモノを扱えない獣だ。私の時間を奪う可能性のある役立たずな獣を先に片付けようとしただけの事だ…」



淡々とした口調に皆の顔は強ばり、手には力が入る。Aは理不尽も不条理も絶望も一通り見てきた。顔だけを後ろに向けて見れば、それらの感情が入り交じった表情を浮かべた村人が目に映った。



「オマエら騎士団に入れる程の魔力を持っているんだろう?任務だから助けようとしているだけで、オマエらにもコイツらが__」



男は目を見開いた。自分の眼前に迫った黒い炎に、燃え盛る赤い炎を見た気がした。寸の所で躱して攻撃を仕掛ければAも後ろに飛んで躱した。



「時間を気にする割に話は長いんだな。要は見下してないとまともに生きていけないんでしょ?」



右手の指に「Come on」の文字を作り出し挑発する様にクイクイと指を動かした。膝を曲げた横でアスタが大剣を構えて走り出す。


「その人達はオレが守るべき存在だ…!!」


アスタの言葉に村人達は息を飲む。変な話だが、この国の恵外界に住む者達は必要以上に自分達を卑下する傾向がある。それもこれもクローバー王国の歪みがそうしているのだ。膝を再び伸ばし、顔を上げて相手を見据える。不敵な笑みを浮かべたAに釣られるようにしてマグナの口角も上がった。



「うん、燃えてきた。」



氷と霧の複合魔法。氷柱を壊しても、霧のある所から無数の氷柱が創り出される。後ろの霧魔法の使い手を倒してしまえばこちらのものだろう。自分達にも余裕がある訳ではないが、自分の仲間が村人の盾になるに十分な働きをする事をAは分かっている。だから何の躊躇いもなくこの場を離れられる。

ページ4→←ページ2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
67人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

マリイ - はなぼーさん» ありがとうございますユウカ様の小説一つも無くてレオポルド、アスタ、ラック、マグナ (ライア)好きだけど1番はユウカ様 FTとブラクロの中で (2022年8月4日 14時) (レス) @page47 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - マリイさん» リクエストありがとうございます!作品一つ作るのは難しそうなので、ユウカとのお話をどこかで挟もうと思います! (2022年8月1日 21時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年7月29日 20時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - ミトさん» コメントありがとうございます!長らく更新出来ていませんでしたが、ちまちまと再開致します! (2022年7月11日 11時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - ブラクロに再熱して夢小説探してたら面白いの見つけた…続きを楽しみにしてます! (2022年6月11日 1時) (レス) @page39 id: 54bc55279d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はなぼー | 作成日時:2022年3月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。