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涼太 side
涼太「...」
しばらく何も言い返せなかった。
頭の中を玲於の言葉がグルグル回っている。
“俺、これからは正々堂々とする。”
“自分の気持ちに嘘はつかない。”
ライバルである俺に対して惜しみもなく自分の言葉を貫いた玲於に負けた気がして、ただただ悔しかった。
涼太「...あっそ。
でも俺、負けないから。」
やっと絞り出すことの出来た言葉は自分で言って惨めな気持ちになるくらい弱々しいものだった。
玲於「うん。」
涼太「...じゃ、俺はこれで。」
居ても立っても居られなくなった俺は逃げるように部屋を後にした。
涼太「はぁ...」
今回ばかりは玲於に負ける気がする。
玲於とAはお互いが気付いていないだけで両想いの関係だ。
涼太「...くっそ。」
そんなことずっと前から分かりきっていた。
自覚していた。はずなのに...
苦しい。
どこかで現実を受け入れられない自分がいたのだろう。
2人が付き合う日はそう遠くはない。
ふとスマホを見ると、ロック画面に表示されたAからの新着メッセージ
こんな時に限って...
A “ 空いてるよ! ”
ああ、俺今夜誘ったんだった。
涼太 “ 18時にスカイツリー前で ”
そっと送信ボタンを押した。
...あと3時間
俺は、どうしたらいいんだろう。
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片寄涼太&帆都大好き - 子供ができてからの生活が見たいです! (2018年4月22日 21時) (レス) id: 4515428df5 (このIDを非表示/違反報告)
A.T(プロフ) - リクエストです。番外編でpinkが見たいです。 (2018年3月8日 22時) (レス) id: ba8b15f527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non | 作成日時:2018年2月15日 19時