5話 ページ6
シアンside
…心臓がうるさい。
味わったことのない緊張感。
元凶は、恐らく俺の隣にいるAという男のせいだろう。
黒い馬車に乗せられ俺はNRCに来た。
背丈も高く、自分でもわかるほど冷めた怖い顔をしているせいなのか
新入生の列の隣にも後ろにも誰も来ようとしない。
少し離れたところであたふたしている。
(なんだ、顔くらいで……)
表面上は飄々としていたが、内心はまあまあ傷付いている。
昔からそうだったのだ。
口下手で人と関わることが出来ず何を考えているのか分からないと距離を置かれ、
目付きが悪いせいで同級生やその親たちからも怖がられた。
理解してくれたのは親と…アイツだけ。
あれは夏休み中のことだ。
両親と共に潮風の都にある別荘まで来ていた。
海が綺麗に見える場所で好きな場所だった。
日も暮れかけていた頃、海辺で1人砂遊びをしていた時
？｢君、1人かい｣
シア｢…？、？｣
？｢こっちだよ、こっち。海の方を見て｣
アイツが現れたのだ。
？｢君、虎の獣人かい？ここらでは見ない顔だね。｣
シア｢…乾きの森、から来たんだ、｣
？｢そうかい。あそこはいい所だよね。おじいちゃんに連れていってもらったことがある。｣
シア｢そう、かな｣
？｢…何か嫌なことでもあったのか｣
シア｢おれ…おれがこわくないか、｣
？｢どうしてだ？何も怖くないさ｣
シア｢…おれは、しゃべるのがにがて…だし、顔がこわいからって、友だちが、いなくて…｣
？｢…友達ねぇ。いいんじゃね、無理して付き合ってく必要ないだろ。｣
シア｢でも、おれも…友だち、ほしいんだ。たくさんあそびたいし、1人でいてもたのしくない、｣
？｢じゃあ友達になろ、俺と。｣
シア｢え、｣
？｢な！俺、A。Aって言うんだ、君は？｣
シア｢シアン…｣
？｢なあ、どのくらいここにいるんだ？｣
シア｢えっと……｣
初めての友達。年上だと思ってた。
お前があまりにも綺麗に話すから。
拙い喋り方をする俺とは違って、沢山の言葉を知ってた。
初めての友達。女だと思ってた。
お前があまりにも綺麗に笑うから。
華奢な肩に白い肌、長い髪。一目惚れだったんだと思う。
大して面白くもない俺の話をよく聞いてくれて、よく遊んでくれた。
最後の日は
｢また会えるさ｣
って。
あの時のお前が今、隣にいる。
また本当に会えるなんて。
くそ、また上手く話せない。
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おはぎとだんご(プロフ) - 面白かったです。移行楽しみにしてます (2021年8月13日 14時) (
レス) id: 1cc5216453 (このIDを非表示/違反報告)
鴇(プロフ) - 現在はこちらの新しいアカウントで作品を続ける準備をしております。タイトルは変わらないと思いますのでお話をある程度書きましたらまたこちらでお知らせいたします。作品ページにあります他の作品につきましても原作改めて作成中でございますのでお待ちください (2021年6月7日 4時) (レス) id: 30e34f0135 (このIDを非表示/違反報告)
鴇(プロフ) - こんにちは、、、お久しぶりでございます鴇です、、長らく更新停止してしまい申し訳ありません。実は機種変をしたのですがパスワードやら何やらを忘れるという大失態を犯しました、、 (2021年6月7日 4時) (レス) id: 30e34f0135 (このIDを非表示/違反報告)
鴇(プロフ) - ふまさん» そうです、！続編へ移行するにあたり、最後のタイトルをいつも通りにするか悩んだのですが夢主くんの無意識に抱えている苦悩を表したいと思い、文字化けさせてあの文に致しました。 (2021年4月15日 23時) (レス) id: 1794e5cce6 (このIDを非表示/違反報告)
鴇(プロフ) - カクテルさん» お返事遅くなってしまってすみません、楽しみにしてて下さりありがとうございます、！後日、続編に移行致しますのでそちらも引き続き読んでいただけると幸いです。 (2021年4月15日 23時) (レス) id: 1794e5cce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鴇 | 作成日時：2021年2月6日 20時
