従兄からボーダーに誘われたんだが【WT】

42　私はそこまでバカじゃない ページ44

修と遊真と共に、病室に戻る

ガラガラとドアを開け…


「やあ、おかえり」


私は無言でドアを閉めた

「純令？」
『修、病室間違えてた。隣だったね、ごめんごめん』
「何言ってるんだスミレ。オサムの病室はここだぞ？」
『少し黙らっしゃい遊真』

ドアの前で言い争ってると、「閉めるなんて酷いじゃないか」と1人の男性が出てきた

誰 だ ア ン タ

と、面と向かって言える程私はバカじゃないし、何ならこの人が誰かも知っている

そう、彼は私が(勝手に)怖がっている上層部の1人……ラグビーさんだ(※違います)
事あるごとにラグビーの話をするので、ラグビーさんと呼んでいる
っていうかまず名前知らない←

「あなたは……」
「外務営業担当の唐沢だ。久しぶり。
……今からちょっと外に付き合ってもらえるかな？病院の許可は取ってある」
「え…！？」
『まさか、誘拐…！？』
「君の中で俺の印象はどうなっているんだ？？？」




───ラグビー大好き唐沢さんと一緒に、いざ病院を出ようとした私たち
その時、「修…？」と女性の声が聞こえた

「あ、純令。久しぶりだね」
『千佳！無事で良かった！』

久々の再会に喜ぶ私たちの傍らでは、「何してるの？」と修のお姉さん？らしき人が話しかけている
あの人めっちゃ美人だな、おい

「ご家族の方ですか…」と、唐沢さんが名刺を差し出した

「この子は怪我人です。まだ外出は…」と渋るお姉さんに、医師の許可は降りていることを伝える唐沢さん

「もし心配なら車を用意しますので。お姉さんもご一緒に…」
「「母です」」

……………ん？
母？
お姉さん…じゃなくて？？？

案の定、私と同じように理解できてない顔をした唐沢さんがもう一度尋ねた

「お母……さん……？」
「「母です」」


いや若くね？？

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