従兄からボーダーに誘われたんだが【WT】

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『いやいやいや、何がどうしてそうなった？』

私はマンガを投げ捨て…ようとして推しが表紙だと気づき丁寧に置いた後
少し離れた場所に座っていた従兄に詰め寄った

「なんとなく？」
『なんとなくでボーダーに誘うな』

おっと、自己紹介がまだだったね
私は、神無月(かんなづき) 純令
ちょっと前に中学生になったばかりのJCです

中学生は憧れ…というほど憧れでもなかったけど()やっぱり友達が増えるのは嬉しくて
話がめちゃくちゃ合った友達たちとアニメイトに行ったりしてそこそこ中学生ライフを楽しんでいた

そんな所に、突然のボーダー勧誘発言である
普通ビビるだろ

「ボーダー入れば知り合い増えるぞ」
『別にボーダーの知り合い増やしたくないし』

「近界民と戦えるぞ」
『そんなもんこっちから願い下げだわ』

「う〜ん、どうやったら入るだろうか」とぶつぶつ呟いていらっしゃいますが、私は何と言われても入るつもりはありませんぞ、従兄さんよ

大体、好き好んで近界民と戦いたい奴なんているの？
…まあ世界に1人くらいならいるか

「お金貰えるぞ」
『…………………………そう言われても入らないよ』
「お金に釣られないなんて珍しいな」
『私の印象どうなってんの？？？』

確かにお金には惹かれるけど()
でもボーダーに入りたくない気持ちが勝った

「じゃあ、今までの俺への恩返しってことで」
『返すほどの恩あった？』
「友達と遊びに行く時の服選びに、テスト勉強にも付き合ったし、夏休みや冬休みの課題も手伝った。あとは…」

まだまだ出てくる私の話
おい、ホントに過去の自分何してんの？？？

「ボーダー入らないなら、もうさっきのこと手伝わないでいいかな」
『是非ともボーダーに入らせて頂きますッ！(即決)』

…こうして、私のボーダー入隊が決まったのだった───
…あれ、ボーダーってこんな動機で決めていいもんだっけ

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