友人と呼ぶには02 ページ37
オースティンやサラの前では、口が悪くなるのもわからなくはないけど。
私の前でもそうなるのは、気を許してるからなのもわかっている。
じいやに聞かれたら、また
ルーイは大丈夫なのかしら?
「アンナさんから手紙を預かって来たよー」
シャノンが手紙を片手に、私に近付いてくる。
誰からかしら?と思ってたら、差出人は噂の本人であるリリアだった。
「このタイミングで来られると、盗聴でもしてるのかと考えてしまいたくなるわね。この時代には盗聴器なんてないのはわかっているけど」
ペーパーナイフと手紙を一緒に受け取り、開けて中身を確認する。
中に書かれていたのは、下級貴族の集まりに私も来ないかと言う招待状のようなもの。
これでも公爵家だから、家を理由に断る事も出来はする。
お父様やお母様に相談するも、あまり良い返事は貰えなかった。
それ所か、渋い顔をされたではないか。
お父様は重い口を開き、渋るのには訳があると教えて下さった。
「――あの子爵家には、色々と噂が流れている。子爵本人が宰相の地位を狙っているのもそうだが、彼女の育ての母…子爵夫人やご令嬢ご子息も領地で私腹を肥やす傲慢な性格だと。欲しいものは全て手に入れると言う、欲が凄いんだ。…アリスの王太子妃と言う地位も欲しているかもしれない。くれぐれも、気を付けるんだよ」
うーん、お父様の話を聞く限り行かない方が良いのかもしれない。
お断りの手紙を書く方が良いかな。
そうと決まれば、紙とペンを用意して貰う。
「シャノン、これを子爵家に送ってちょうだい。…お父様にお断りの手紙を出したと話さなきゃ。ルーイ、付いてきて」
お父様に断りの手紙を書いて届けて貰ったと伝えると、お父様は少なからずホッとした表情を私に見せた。
気が気じゃなかった、のかもしれない。
お父様もお母様も、使用人たちも。
「アリス、リリア嬢がどのような子かは私たちはわからない。その子との付き合い方は、アリスに任せるよ。お友達で居たいのか、そうでないのか…と言うのもね」
あっ、お父様も私が悩んでるのを知ってたんだ。
友人と思って良いのか、思わない方が良いのか。
「これから見極めていくつもりです。家庭教師の先生が見える時間なので、お父様失礼致します」
「あぁ、頑張って」
お父様と別れ、早く戻らないと待たせてしまうであろう家庭教師が居る自室に向かう。
私はこの時、この手紙で一波乱起きる事を知るよしもなかった。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時