閑話 やっと見付けた(?side) ページ35
やっと見付けた、私が求めていたモノを持つ彼女を。
彼女は知らない、私が私を作っている事を。
知りはしない、だって会ったばかりなのだから。
彼女は恵まれている、私なんかよりずっと。
(――そう、だから壊すの)
彼女が大事にしているもの、大切なものも全部全部。
壊すだけじゃつまらない、奪ってしまうのも良いかもしれない。
まずは彼女の親の噂から流そう、悪い噂を。
そして彼女の噂も流そう、悪役令嬢だと。
周りの人は、噂話が大好きなのね。
瞬く間に広がっていった事に驚きもしたけど、彼女の父親を
汚い大人の世界を垣間見た気がして、吐き気を覚えたわ。
でも、私はまだこれからしなくてはいけない事がある。
彼女の友人と言う地位を手に入れて、全て奪えるように下準備をしなくては。
なにを奪うのかって?
勿論、言葉通り全てよ。
地位も男も、なにもかも。
彼女なんかより、私の方が王太子妃に相応しい。
なのに、何故彼女が選ばれるの?
何故彼女が、王太子妃に選ばれたの?
許さない、赦さない、ゆるさない、ユルサナイ。
私の恋した
私の方が、彼に相応しいのに。
憎い、
彼女を壊せば、彼は私に振り向いてくれるかしら?
それとも、私なんて知らないのかもしれない。
彼と会ったのは、一度だけだから。
仕事をしている時の彼の姿が格好良くて、一目惚れしてしまった。
そんな彼の視線の先には、必ずと言って彼女が居る。
あぁ、どうしたら良いのかしら。
(壊す事には変わらないけど、どうにかして彼を振り向かせる事が出来るなら…)
私は、鬼にも悪魔にもなれるだろう。
彼が好きだからこそ、そして…私の性格がそうだから。
(あぁ、彼女の顔が歪むのを見るのが楽しみだわ…)
カップを片手に、紅茶を飲みながらそんな事を考えている。
メイドや執事は私にはあまり近付こうとしない。
いや、近付きたがらないと言った方が良いのかもしれないけど。
(私は自由で良いけど、たまに暇なのよね)
お父様もお母様も、私自身にはあまり興味がないみたいだけど。
私の企みには興味あるのが救いかしら。
さて、明日は身内だけのパーティーだと言っていたし。
もう少し慎重にマナーを身に付けておかないと。
彼女より、自身を磨かなくてはね。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時