正式な婚約05 ページ32
お茶会が終わり、クラウス様は挨拶をなさっている。
私は近くに居た熟年の執事に紅茶を頼み、お菓子を楽しんでいた。
クラウス様からも許可を貰っているから、二・三個程ケーキを食べている。
ヤバイ、このモンブラン美味しすぎる。
ショートケーキも美味しいけど、モンブランが美味しい!
モンブランが苦手だった私でも食べられるなんて、此処のパティシエは優秀ね。
クリームが私好みの甘さで、食べやすいサイズだからかな。
「――ルーテシア公爵令嬢様、お茶のご用意が出来ました」
私に声を掛けたのは、さっき紅茶を頼んだ熟年の執事だった。
「ありがとう。…どうかなさったのですか?」
紅茶を受け取ったにも関わらず、まだ側に居た執事にそう尋ねる。
「…アリスお嬢様で、合っていらっしゃいますか?」
「私がアリスで間違いありません。どうして私の名前を?」
この熟年の執事は、私の事を国王様から聞いたのだと言って、私を心配してくれて居たのだとか。
この熟年の執事、信用出来るかも。
「ありがとう。…このロイヤルミルクティー、貴方が淹れてくれたの??」
「はい。お口に合いませんでしたか?」
合わないのではない。
ミルクティーが苦手だった私が飲めてしまったのに、かなり驚いた。
「私、今までミルクティーが苦手だったの。でも、貴方の淹れてくれたロイヤルミルクティーは美味しくて、何杯でも飲めそうだから驚いてしまって。美味しい紅茶をありがとう。おかわりを貰えますか?」
「それは大変申し訳ありませんでした。ですが、そう言って頂けて嬉しいです。すぐご用意致します」
熟年の執事は私に頭を下げて、行ってしまった。
マカロンも美味しい。
でも、サラが作ったお菓子が恋しい。
一日に一度は食べないと、落ち着かない程にサラのお菓子が大好きだから。
(…もう帰っちゃおうかしら?)
クッキーを食べていると、あの!と声を掛けられた。
クッキーを楽しんでいたのに、誰よ。
振り返ると、さっき助けたリリアが居て驚いた。
「リリア?貴女も令嬢だったのね」
「はい。フィーリア子爵家の娘、リリア=ド=フィーリアです」
「先程は挨拶もせずに、ゴメンなさいね。ルーテシア公爵家の娘、アリス=ド=ルーテシアです」
「因みに、僕の婚約者だよ」
急に肩を抱かれ、抱き寄せられたと思ったら。
いつの間にか居なくなっていたけど、今戻ってきてたのね、クラウス様。
クラウス様は笑顔を貼り付けて、リリアに挨拶をしていた。
…どうしたのかしら?
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時