閑話 アリスお嬢様との出会い(ルーイside) ページ4
じいちゃんとばあちゃんに連れられて、将来俺が使える事になるお嬢様とやらを見に来た。
その時の感想、一言で言うと可愛い。
毛先に少しクセのある綺麗な金髪、ぱっちりとした二重にサファイア色の瞳、長めの睫毛、子供のわりにはスッとした鼻筋に、さくらんぼのように赤い小さな唇。
人形とも見間違うような容姿の、小さな女の子。
「どうだ、可愛いであろう?」
「アリス様と言って、三歳になられたばかりなのよ」
「じいや、ばあや、そのおにいちゃんはだあれ?」
ばあちゃんがアリスに説明をして、じいちゃんが俺にアリスの事を説明してくれた。
「アリス様とお兄様方は、仲があまり良くないのだ。だから、お前が面倒を見て差し上げなさい」
(俺が、アリスの…?)
男の俺が、アリスを見られると思ってるのか?じいちゃんは。
「わたし、アリス。よろしくね、ルーにいさま!」
とびっきりの笑顔で俺を兄様と呼ぶアリス。
キュン。…なんだこれ、ときめいたぞ。
アリスの可愛さに、ときめいてしまったぞ。
じいちゃんを見ると、アリスの可愛さに見悶えている。
「…あー、アリス。俺の事はルーイで良いからな」
きょとんとした顔で頷く姿も、また可愛らしい。
「アリスのことも、アリスってよんでね!ルーイ!」
「アリス様、呼び捨てを許すなど…」
「いいの!じいや、ばあや、ルーイ、おにわいこ!」
小さく柔らかな手が、俺の手を取る。
庭に行くと、調えられた赤バラたちに出迎えられ、その圧巻さに驚いた。
そんな俺にもっと驚く事を言ったのは、紛れもなくアリス本人だった。
「ルーイ、わたしだけのひつじさんになってね!」
急に言われて理解出来なかったが、専属執事になれと言う事なのか?
「まぁ、アリス様…。“ひつじ”ではなく、“しつじ”ですよ。ルーイ、今日からビシビシ鍛えるかな!」
「じいちゃん、羨ましがるなよ」
良いな良いな!と思ってるのバレバレだかんな。
アリスは嬉しいのか、明るい笑顔で俺を見ている。
…はぁ、執事になる気はなかったんだけどな…。
アリスがこんな顔をしながら俺を見るんだ、少しくらい頑張ってみるのも良いか。
「じいや、ルーイにやさしくしてね!アリス、ルーイがだいすきだから!」
…あっ、じいちゃんのオーラがメラメラと燃えてる。
ばあちゃん、笑ってないでじいちゃん止めて。
ヤキモチ妬いてんのバレバレじゃねぇか。
この日から俺はアリスに惚れ、じいちゃんのスパルタな日々が始まったのは、言うまでもない。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時