閑話 アリスの笑顔の為ならば(クラウスside) ページ27
アリスとの婚約を望んだのは、最終的には僕の方だ。
僕は彼女を望んだ、その事に後悔など少しもない。
そう、僕にはそうなんだけど…。
アリスには、そうではないらしい。
自分の事を守ってと言う事は、アリスの事は放っておけと言っているように聞こえた。
大丈夫とは言っていても、そんなな訳がないじゃないか。
僕と君は同い年なんだから。
君は時々、背伸びをした事を言う。
其処もひっくるめてアリスだとわかっている。
でも、僕には頼ってほしいんだ。
周りの大人や兄弟に頼れない時、些細な事でもなんでも。
「アインハルトは、ヒューズお兄様と同い年くらいですか?」
「そうですね、ヒューズ様とは同い年になります。アリス様、自分の事は良いので、クラウス様とお話なさっては如何でしょうか?自分はお茶の用意をして参ります」
「本当?なら、ハーブティーを用意してくれませんか?お兄様なら、アリスの好みをわかってくれてますよね?」
任せろと言って部屋から出ていくレオナルドと、その後を苦笑しながら付いていくアインハルト。
アインハルトとフリードが兄弟だったとは、アリスも知らなかったんだ。
二回しか会ってないから仕方ないけど、フリードがあの状態だからね。
…とは言え、アインハルトも信用できるかと言えば微妙だな。
アリスはアインハルトを気に入ったのか仲良くしたいらしいけど…。
レオナルドが許すくらいなら、其処までは警戒しなくても良いのかもしれない。
油断は出来ないけど、この城では僕がアリスを守らなきゃいけないんだ。
「クラウス様、大丈夫ですか?」
考え事をしてしまっていたから、アリスが側に来ていた事すら気付けなかった。
アリスの右手が僕の左頬に、優しく触れた。
「お疲れなのではありませんか?噂のせいであまり休まれて居ないと、ヒューズお兄様から聞きました」
王族直属の騎士団に配属される事が決まっていたから、見学に来ていたのは聞いていた。
挨拶もしに来てくれたけど、其処まで知っていたとは…。
「まさか、アリスに話してしまうとは思わなかったよ。僕がしたくてしている事だからね。…まだ時間は掛かると思う。でも必ず、噂の根元を見付けてみせるから。ーーそれまで、待っててくれる?」
「いくらでも待ちます。けれど、お身体に障るような探し方はしないで下さいね?」
…あぁ、アリス。 君は本当に優しい子なんだね。
そのアリスを悲しませる者は、何者でも許さない。
必ず見付けてみせるよ、君の笑顔の為にも。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時