桜色のオーロラ姫【ダイゴ】part2

Princess　Aurora＊ ページ9

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ステージの上で、次々と技を決めていくミロカロスとシャワーズ。



ミクリとAちゃんも、

指示をしっかりとしながらも優雅に踊る。





え……ちょっとミクリ、近くないか？





気になるところはあるけど、今は集中すべきはふたりのパフォーマンス。




シャワーズのあまごいを、


雲の上から下に向かってアクアテール。


２匹同時にアクアテールを雲を切り裂くようにしたことで、


僕の座っている位置からは、


２匹のうしろにちょうど虹がかかっていた。



なるほど……。



そうすれば、観客からはライトの光で水が反射して見える。


そのうえ、ステージの上空でやれば、ライトが近くなるから虹のようになるんだ。



次は、もともと幻想的なわざであるアクアリングが、


れいとうビームにより、氷となったことでダイヤモンドのベールみたいになった。


(しかも、ただ凍らしているだけじゃない。



あれは──)



わざと氷の面を多くしてる……？！




そんな細かい芸当が出来るのか。


宝石が美しく見える削りかた、というのは反射する面を多くすることだ。



その知識を知っていてやったのかはわからないけれど、


こおりがあんなに輝くのは、おそらくそれが理由だろうね……！！



そんなことを考えている間にパフォーマンスは進んでいく。



たつまきをおこして渦の中へ入る、

というAちゃんらしい発想。



その回転と上昇する空気の流れをうまくつかい、オーロラのうずがうまれた。


そして、上までいったシャワーズがたつまきをはらうようにオーロラビームを放つ。




「……！！」



──パアアアーッ！



会場全体に、オーロラの光が満ちていく。




テレビで見た、あのカーテンのようにヒラヒラと光るオーロラが、




今、僕の目の前に広がっていた。









　
水を自在にあやつる、水のアーティストと呼ばれるミクリ。








そしてもう一人。




それに負けないパフォーマンスをしたAちゃん。





今だに輝いている、オーロラの光を背に、







胸に右手をあてておじぎをするその姿は───








まさに、桜色のオーロラ姫。

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