桜色のオーロラ姫【ダイゴ】part2

Princess　Aurora＊ ページ42

チャンピオンの仕事、デボンの仕事。

両方やっていると、時々ジュンサーさんから連絡が入ることがある。


それは、ジュンサーさんたちのポケモンの力、強さでは解決できない時だ。


ジムリーダー、四天王、チャンピオンなどバトルの実力者に、協力を要請する。




例えば、台風が来て土砂崩れが起き、道がふさがってしまった時。

巨大な岩や大木をどかすのに、支援要請が出来ないかと言われたりね。



とにかく、人手と実力がいるとき呼ばれることもある、ということ。

今は、僕が対応した自然災害の事務処理、書類整理をしていたところだ。



もうすぐで終わる。

よし、あとひといき。


伸びをしていると、電話の音が鳴り響いた。




「はい、こちらデボンコーポレーションのダイゴです。」




「こちら、ハジツゲタウンのジュンサーです。ダイゴさんに至急要請が…！！

今、えんとつやま近くの旅館から通報がありました。

Aさんが、昨日の深夜から消息不明となっています…！！」




「えっ…？

消息不明？！」


Aちゃんが？！




「はい、


昨日の夜、Aさんのポケモンたちは彼女の泊まっていた部屋から飛び出してきて、フロントで何かを訴えるように吠えていたそうです。


不審に思ったフロントスタッフが、彼女のポケモンたちに導かれるまま、ある部屋へ押しかけたそうです。



その客室をノックをしても反応がないため、責任者がマスターキーで扉を開けたところ……


部屋の中には誰もいなくなっており、窓だけが開きっぱなしだったそうです。


そして、Aさんのものと思われる仕事用タブレット端末と、彼女の部屋の鍵が、なぜかその部屋に置いてあったと…


そして、その部屋に泊まっていた客は、館内どこを探しても、いなくなっています。」



どこを探してもいない…？！




「まずいな、それは…
事件性がかなり高い、ということですよね？」



「はい、
我々は現段階で誘拐と見て捜査しています、

形跡から見て、おそらく間違いありません。」


これは、報告書の作成どころではない。

「わかりました、僕も急いでそちらの旅館へまずお伺いします。

ジュンサーさん、現場で詳細を教えて下さい…！！」

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