Princess Aurora* ページ15
*
『フィニッシュ!!』
パアアッ!
広がるオーロラと、
ポーズを決めるミクリとAちゃん。
……なにもかもが、突然決まったこのコンテストライブ。
結果をひとことでいえば、
そりゃもう大成功だ。
「すごいのう、Aちゃん」
向かいにゆったりとイスに腰かけながら、
何度も繰り返されるテレビの映像をながめるおやじ。
ぼくもコーヒー片手に新聞を読んで、朝食のサンドイッチを食べる。
…………まあここが仕事場じゃなくて、家だったら良かったんだけどね。
昨日、ハジツゲでコンテストライブを生で見てからカナズミに戻って、残ってた仕事を片づけたんだ。
……ちょっと、徹夜になりかけたかな。
あ、まずい。ボーッとしすぎた。
「どのテレビも新聞も、昨日の夜のコンテストの話題で持ちきりだよ」
ホラ、と親父に読んでいた新聞の1面を見せる。
そこには、
『突如舞い降りし、桜色のオーロラ姫!』
『謎とオーロラのベールに包まれた桜姫、登場!その名はA!』
そんな見出しがデカデカと書かれていた。
「こりゃまた一躍有名人だなあ、はっはっ!」
笑い飛ばしたあと、
親指をグッとたててニヤニヤしてきた親父。
……親父のコーヒー、次は2倍の濃さにでもするか。
「まぁAちゃんがこうして、いろんなことに触れられるのは良いことだろう。
それと、ほら。ソライシ博士からとAちゃんからの報告書!」
なかば押しつけるように書類を渡す。
「おおっと。
ダイゴ、そんなにセカセカしなくてもいいだろう!ちょっとからかったくらいで。」
「せっかちなのは認めるけど、親父もなんでもかんでも恋愛話に持ってくのはやめてくれよ」
はぁ、とため息をつく。
「まったく……。じゃあ次の調査、お前は行かなくてもいいさ。
今回はAちゃんと、ふ、た、り、で!
頼もうかと思っていたところなのになあ?」
「っ……はあ。
仕事はどんな理由があれ、ぼくはこなしてるはずなんだけど」
親父はこうやって僕をからかって、
フンッ、とむくれる。
「……。
まあ、気を取り直してだな?
お前は、このメガシンカに関わる遺跡の調査にいくんだ」
「わかった。」
新たな書類を受け取ったあと、
銀色のトランクケースを持って社長室をあとにした。
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抹茶きなこ(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます…!全くそんなことないですよ!!!嬉しいです! (2021年11月29日 22時) (レス) id: 50d51bebf0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年11月29日 14時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶きなこ(プロフ) - 猫さん» コメントありがとうございます、応援してくださって嬉しいです…!励みになります。少しづつ、続きの構想を練っているところです!更新頑張ります…! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 50d51bebf0 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶きなこ(プロフ) - ばなな味すむーじーさん» コメントありがとうございます!ほんっとに遅くなっているのですが少しづつ続きを書いているところです!早くお届けできるよう、頑張ります! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 50d51bebf0 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - とても面白い!これからも応援してます、更新頑張ってください! (2020年10月13日 11時) (レス) id: 297913b252 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2017年8月13日 22時