桜色のオーロラ姫【ダイゴ】part2

Princess　Aurora＊ ページ13

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本番まであと少しになり、ステージ裏に行く。



『さあ！お待たせいたしました！！


本日はここ、ハジツゲタウンのコンテスト会場から、ホウエンの皆様に中継でお送りいたします！


ですが、残念ながら本日、




パフォーマー・ルチアが体調不良になってしまった。』



はつらつと始まった司会だが、事実は伝えなきゃいけない。



途端に、



「ええっ？！」

「どういうこと？！」

「そんなあ……」

「ルチアちゃん、大丈夫なのかなあ……」

「うそでしょ……」

「これを楽しみに勉強頑張ったのに……」





ザワザワと落胆の声が。



……そうだよね。ルチアちゃんのことを楽しみにしてたんだもんなあ。




ステージの脇に出てスタンバイしてたから、本当に近くでお客さんの声が聞こえた。



不安と緊張で脈が早くなるのがわかる。



「……Aちゃん、気にすることないさ」



気づかってくれてか、隣にいるミクリさんがなぐさめてくれる。



「……大丈夫です！」




ミクリさんを安心させるため、そして自分に言い聞かせるため、

できるだけの笑顔で返す。



『だが皆様！！今日はスペシャルなゲストたちがパフォーマンスしてくれます！！


我がホウエンが誇る、水のアーティスト！！

ミクリ！！』


ワアアアアアアッ！！



思ってもみなかった、大物の登場により一気に雰囲気が変わり盛り上がる。


……すごい、さすがトップコーディネーター。



私がそのあとに続いちゃって大丈夫なのかな。



だけどミクリさんがすかさず、




「皆さん！！

ルチアが出られなくなって、落ち込んでしまった人がいるかもしれない。


だが今日君たちは！！


コンテスト界の新しい光を見ることになる！！」





フォローをいれてくれる……



が、かなり持ち上げすぎですよ……？！


あああ、そんなにハードルあげないでください、お願いですから……！！




『それではどんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか？！


突如として現れた、謎に包まれたコーディネーター、A！！』



(あーもうミクリさんのせいで余計緊張する……)




ふぅ、と息をつき、


スッと背筋を伸ばして、


ステージへと歩く。





───やれるだけのことはやった。


あとは、




この観客の人達に、私の今できるベストを尽くすだけ！

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