桜色のオーロラ姫【ダイゴ】part2

Princess　Aurora＊ ページ12

あれよあれよと、言われるがまま、されるがまま。





メイクさんに全て任せて数分後。






「よし……！これでOKよ！



それじゃあ、ステージ直前になったら呼びに来るわね！」






じゃあねー！っと、嵐のように去ってったメイクさん。





「あ、ありがとうございました……？」






ふと目の前の鏡を見る。






うつっているのは、見慣れない私。






こんなにも変わるものなんだ……



すごい、メイクって。





あっけにとられていると、




──トントン。






ドアをノックする音が響く。







「はーい、どうぞ！」







すると、ドアからひょっこり顔を出したのは






「やあ、Aちゃん。」




「ダイゴさん！



あ、え、えっと……はは。




ちょっと恥ずかしいです、この格好……」





ダイゴさんにあってから、急に恥ずかしくなってきた。





「そんなことないよ、似合ってる。



もっと自信もって良いと思うよ。




さっきのパフォーマンスも、本当にすごかった！」




「あ、ありがとうございます！」






“似合ってる”






そのひとことは、社交辞令だったり、お世辞かもしれない。



でも、なんだかダイゴさんに言われると、


すっごく特別な感じがするなあ……。



＊






Aちゃんにかける、ひとことがやっとだった。



いつもならそんなことないんだけど、ね。


だから平然としているように振る舞ってごまかす。


そうでもしないと、ダイゴらしくいられない気がしたから。



「サラッと恥ずかしいことを言えるのがダイゴだよな」、といつだったかミクリに言われたこどがある。


ミクリだけじゃなく、他の人からも。



(前は、素直に思ったことを言っただけだ、と思っていたけど……)



なるほど、そういう意味だったか。


と、今になって思う。



化粧もして、髪も服もアクセサリーも整えたAちゃん。



オーロラをイメージしたドレスから、白い肌がみえる。




その姿を見たら、




“似合ってる”




が、せいいっぱいの誉めことば。






……平然と、していられたかなあ？

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