普通じゃない日常【東海オンエア】 (ページ47)

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Aside

店に着いて10分

誰も話し出さない

出せないの方が正しいのかも

そんな時意外な人が口を開いた

と「最近どうした」

『…』

と「Aだよ？」

『あぁそうなの？いや、何もないよ？』

心配させたくないから明るく返した

ただ思いに反して涙がこぼれた

1度出たものは止められずしばらく泣いてしまった

それでも黙って待っててくれるのが6人

そして少し落ち着いた頃

り「どうした？」

いつも以上に優しい声と表情

小さい時から見ているりょうの顔

でも優しさの中に怒りも混じったような
表情にも見えた

何でかは分からないけど

て「ゆっくりでいいよ」

今話し出さなきゃもう話せなくなっちゃう
話そう

ちゃんと頼ろう

甘えよう

『怖いの…』

虫「イベント？」

優しい声

『そう』

震えた声

ゆ「何が怖い…？」

優しい表情

『全部』

怯えた表情

と「何で…？」

真っ直ぐな目

『きっと…何か嫌なことを言われる』

泳ぐ目

全てが対照的になってしまった

それまでずっと黙っていた人が声を出した

て「そんなの気にすんなって」

『…？』

て「俺らが守ってやるよ」

し「確かに。Aには6人も仲間おるやん」

と「そうだって。それに俺らがお前のことは
ちゃんとわかってるから。だから一緒にいる。
お前はお前に自信持っていいぞ」

虫「Aが素敵な人じゃなかったら味方は
いないから。6人もいるやん？そういうことやん」

ゆ「任せて」

り「絶対守るから」

みんなの優しさに涙が溢れて

何も返せなくなってしまった

ただひたすら黙って泣く私を6人は

静かに抱きしめてくれた

東海オンエアに誘われたあの日

多少の抵抗はあれどついて行こうと思ったのは

他でもないこの人達だったからかと気付かされた

『みんなだって素敵じゃなきゃ私もついてかんよ』