【文スト】濃霧と林檎？ 知ってたよ、此の野郎←【文豪ストレイドッグス】【太宰治】

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中也君と拳を交え(尤も彼の攻撃手段は脚のみだったが)、《羊》に加入が認められた上に彼と対等な関係になることに成功した。

ただ、出会いが出会いだった為、好感度としてはおそらく底辺を行っているだろうが、それでも彼は私を仲間として受け入れてくれた。寝床が隣でも背を向けて寝れるくらいには信頼してくれているらしい。

その日は、私の部屋に彼を招いていた。私はいつものように寝台に腰掛けながら、彼に云った。

「《羊》の資金って、どうやって稼いでいるんだい？ 妙に金回りがいいけど。白瀬とか高い時計とか持ってるし、柚杏ちゃんもブランド物の鞄もってるし」
「あー……殆どは盗品売買だな。若しくはショバ代」
「わぁお、犯罪。煙草で濁った肺も驚きの黒さ！」

私の言葉に、中也君は鼻を鳴らした。
「どうせ貧民街(ここ)で生きてくなら法律なんて糞喰らえだろ。抑々此処に居る奴等は法律の外だ。戦災孤児、捨て子……国とか大人達に見棄てられた連中の集まりだからな」
「成程ね」
国や大人に見捨てられた者がその法を遵守する必要は無いのだろう。法律は民を守るもの。見棄てられた民が法を守ったところで何になる。

「んー……でもそれ続けてると怖いところはあるよね。中也君が居ない時が危ないと云うか」
「そうか？」
「うん。だって君がいなくなったら誰も助けられないじゃないか」
「そんなことねえよ。俺がいなくても何とかなるさ。まァ……」

ふっと視線を落として呟くように云う。
「手前がいるからな」

其れを聞いて私は思わず微笑んでしまった。

嗚呼、可愛いなあもう！ 私がいれば大丈夫って何！？ 可愛すぎる！！ 今すぐ抱き締めたい！！！(散れショタコン)

私は衝動のまま中也君の肩を抱いて引き寄せた。そして耳元で囁いてやる。
「任せてよ」
「〜〜〜！？」
中也君はびくりと体を震わせて奇声を発した。顔は真っ赤である。私は中也君の反応を見てくすりと笑った後、ぱっと手を離した。
「なァんて、冗談」
中也君は俯きがちになって頬を赤く染めたまま震えていた。

ちょっとやり過ぎたかな、子供には刺激が強すぎたかな、なんて思いつつ、「そんな危ないやり方以外にも、稼ぐ方法なんていくらでもあると思うよ」
と話題を変えた。

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