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廿弐話 ページ25

(なんで、どうして……!)



どうして上弦の参がここにいるんだ。




どうして、どこまでも強く正しいあの人があんなにも傷ついているんだ……!!








ーー地面に横たわる炭治郎の数米先には静かに佇む鬼と煉獄。



一方は無傷なのに対し、もう一方は左目に、肋骨に、内臓に。身体のそこら中が傷ついている。



このまま戦いが続けば、どちらが負けてしまうのかなんてありありと分かった。





このままでは煉獄さんが死んでしまう。短い間でも自分を正しい方へと導き、そして何百人もの命をその手で救ってみせた、あの人が。




早く加勢しないと!!これからも何百もの人の助けとなるようなあの人をなんとしてでも救わなければいけない。




ーーいけないのに!!




(動け、動け動け炭治郎!!このままだと、煉獄さんが……!!)





戦おうと脚に力を入れても、立ち上がることができない。傷ついた身体と先程使ったヒノカミ神楽の反動が、炭治郎のそれを許してくれない。





そうこうしている内に、2人がまた戦闘体制に入るのを見て、炭治郎は鼓動が速まるのがわかった。





(考えろ、考えろ!!一体どうすれば……!)








ーーしかしその炭治郎の焦りも、猗窩座から発せられた次の言葉によって、戸惑いに変わる。





「全部で5人、あともう1人鬼狩りがいると聞いていたのだがな。




まあいい、早く鬼になれ杏寿郎!!



そいつの分まで、俺と永遠と戦い続けよう!!」





ーーもう1人、鬼狩りがいる、のか?





(いやでも、列車の中では煉獄さん達が戦っていた。もしも他の鬼狩りがいようものなら、気配でわかるはずだ)




もしもいるとしたら、気配を隠すのが上手い、というか気配がとても薄い人だろうけど……









そこで炭治郎ははっとした。頭の中にある1人の人物が浮かび上がったのだ。





(そうだ、もし、もしあの人がこの列車にいるのだとしたら……)




ーー煉獄さんが、助かるかもしれない。




炭治郎の心に一筋の光が通る。人の力を頼るなんて駄目かもしれないが、今はこれしか無いのだ。







俺と禰豆子を本当の弟妹のように接してくれた、心優しいあの人なら。静かながらも、透き通った強い意志の匂いのするあの人なら、きっとこの状況を打開してくれる。





目の前では2人が次の技を出そうと体制を整えている。






(お願いだ、早く来てくれAさん!!)

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あぶらげ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!更新も遅れてしまいすみません (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげ(プロフ) - りっつーさん» ありがとうございます! (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - ナニコレ…好きッッッッッ!!!!、!!!!続きが気になる!!!!!更新頑張ってください!!!!応援しています! (2019年11月24日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
りっつー - ヤバい、好きっす (2019年11月11日 16時) (レス) id: 8fa946d002 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげα(プロフ) - あかさたなさん» ありがとうございます!嬉しいです!! (2019年10月22日 0時) (レス) id: 768a447251 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぶらげα | 作成日時:2019年9月22日 14時

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