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拾弐話 ページ15

「そんなことがあったんだね」


目の前には考え込むように言うお館様。





ここは産屋敷邸。先日の任務報告のために、私は呼び出されたのだ。



「はい。任務終了後風柱殿と共に町の様子を確認しましたが、生存が確認された子供は私が出会った男児一名のみ。



所々空き家があったことから逃げた者もいたようで、町の者全体の行為では無かったようですが......」



あの後不死川さんと町の見回りをしたが驚くことに子供がいなかった。鬼に食べられてしまったか、親と共に逃げたか。後者であることを願うが、どっちにしろあの町の奇妙さは子供がいなかったからだろうということで片付いた。



「人と鬼が協力していたか。あるまじき事態だ。今後も調査を続けていこう」



「はい。


 あの、それでお館様。1つ頼みたいこと、がありまして......」




お館様を真っ直ぐに見つめ話す。自分から頼みごとなんてほとんどしたことがないけれど、これだけは通さなければならない。





「実は――――」









「なるほど、分かった。その頼みを受け入れよう。




しかし、A。君のその決断にはたくさんの責任と努力がともなうよ。その覚悟はあるかい?」



お館様が芯の通った声で尋ねてくるのを聞いて、自然と拳に力が入る。でも......



(今度は私が与えると、そう決めたから)




お館様の問いに大きく頷くと、お館様はいつもの優しい笑みをより一層深めた。



「君がそこまでの覚悟を決めているなら私に言うことは何もないよ。




 
......A、今回の任務本当によくやってくれた。Aは私の自慢の剣士(こども)だよ」




ああ、お館様はいつもそうやってその時一番欲しい言葉をくれる。




「はい......!ありがとうございますお館様」



そんなお館様のためにも戦い続けなくては、と思うのだ。











(終わったー!!)




産屋敷邸を出た青空の下、思いっきり背伸びをする。



お館様のことが嫌いなわけではないけれどあの場所は少し苦手だ。もう緊張しすぎて疲れる。家の中で布に包まっているほうがいい。




(それにしても、もう昼か)




夜にもまた任務が入っているが、それでもこの付近である。まだ時間があるし、お昼におでんでも食べに行くか。おでん最強。



「A」



「ひぃぃ......!」



突然背後からかかった声に悲鳴を上げる。振り向くと、我らが水柱 冨岡義勇さんがいた。



冨岡さんは何を考えているか分からない顔で私を一瞥すると



「鮭大根すきか」



「はい......?」





(誰か通訳プリーズ!!)

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あぶらげ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!更新も遅れてしまいすみません (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげ(プロフ) - りっつーさん» ありがとうございます! (2019年11月30日 11時) (レス) id: 206dd23a10 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - ナニコレ…好きッッッッッ!!!!、!!!!続きが気になる!!!!!更新頑張ってください!!!!応援しています! (2019年11月24日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
りっつー - ヤバい、好きっす (2019年11月11日 16時) (レス) id: 8fa946d002 (このIDを非表示/違反報告)
あぶらげα(プロフ) - あかさたなさん» ありがとうございます!嬉しいです!! (2019年10月22日 0時) (レス) id: 768a447251 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぶらげα | 作成日時:2019年9月22日 14時

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