おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

寝起きの彼、フルコース『愛蔵』 ページ44

「.........あっそ....勝手にしろ」



...........え








予知していた未来はいきなり急カーブをしてやってきたのはまさかの『愛蔵も納得する』という未来







まじで......か



彼は私を離すと背を向けてまた寝息をたて始めた




愛蔵.....私と別れてもいいんだ。それくらいの気持ち......だったの.....







「.....分かっ.....た。さよなら」




酷い、どうせ私のことそんなに好きじゃ無かったんだ



告白したのだって私からだし、約束だって忘れられるし.........









目が熱くなって涙が頬を伝った



涙を拭いながらベッドから降りて、ドアに向かう




ドアに手をかけると









.









「嘘だって、悪かったよ」




ちょっとイタズラっぽい声が耳元で響くと、優しく抱きよせられる




驚いて顔を上げると、愛蔵だった




彼は私の顔を見ると驚いたように目を丸くして、そっと微笑むと頬にキスを落とされた






「そんなに悲しかったのかよ...？
　 .......可愛い」



「う、るさい。ほんとに.....ほんとにびっくりしたんだから....！」



「悪かったよ」



「私だけが愛蔵のこと好きかと.....思ったんだから！」








からかうにも、限度があるでしょ！？



ほんとにびっくりしたのに.....







「でも先に嘘ついたのAだろ？」



「そ......だけどさ......ひゃっ！？.....あいぞっ....」






愛蔵は私を担ぐとベッドに押し倒した





上に覆い被さってる彼は妙に真剣な顔をしていて、鋭い目で私を見つめる



やがて私の目から視線を外すと首筋を舐めたり服の中に手を入れ始めた





「や......止めて.....っ」



「俺のこと、好き？」



「ぅ.....ぁっ！.....待って....分かった.....好き......好きだからやめて！」







その瞬間愛蔵が私から離れる


はぁ、と息の塊を吐くと彼は私を起こして包み込んでくれる。ついでに頭もぽんぽんされた






「そんなに不安がるなよ
大丈夫だって、お前以外見ないから」



「ｯｸﾞｽ.......約束すっぽかしたくせに......」



「あー....それはごめん。ホントに今日は眠かった」







よしよし、と言いながら私の頭を撫でてる愛蔵は、やがて後頭部に手を添えるとキスをした




最初は触れるだけのキスも、時間がたつごとに濃厚さを増してくる





「ん......ふぅ....ぁ」



「は...........こんなことすんの....
　 Aだけだから、な？」









唇をなぞられて、思わず体が反射のように頷いていた









愛蔵の瞳が、少しだけ細められた気がした

出来ました！→←寝起きの彼、フルコース『愛蔵』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す