おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

寝起きの彼、フルコース『愛蔵』 ページ43

「すー.....」




「......ｯｸﾞ....」









すー。という寝息が今は私の心臓を脅かしている。犯人だと？言うまでもない愛蔵だ






金色の髪や白い肌は朝日に溶けて光っていて。布団の端からは細いようででも男の子らしい腕がはみ出していた





今日はデートの約束だった


しかし約束の時間になっても現れなかった彼を心配した私はお兄さんに家に入れてもらうとそこには思わぬスペシャルショットが待ち受けていた



お兄さん曰く、「眠いはずだと思うよ。深夜に帰ってきてたからね、そいつ」だそうだ



お寝坊の愛蔵も可愛いから許すよ！







取り合えず連写。めっちゃ撮りまくって気のすむ辺りで止めると愛蔵が「んん......」と声をあげて寝返りをうった








イケメンの睡眠中ってスペシャルフルコースだ。もう今日これだけでいい気がする






ベッドに乗り込み、愛蔵の頭の近くに座ると。綺麗な瞳の閉じられた瞼にいたずら心でちゅ、とキスを落とす



すると愛蔵は今までで一番大きく動き、やがて私を瞳に写した








「んぁ........？」



寝ぼけた愛蔵。しかも瞳がとろんとしている！多分これはメインディッシュだ、格段に可愛い







そっと写真を撮ると何事もなかったように愛蔵に微笑みかける






「おはよ、愛蔵」




はは、と笑うと愛蔵はのそりと上半身だけ起こして私をガシッと抱き締める
なんとそのままベッドに戻った






「ん¨っ......！？！？愛蔵！？」



「......んだよ、うるさい」







あらま、随分冷たい出来上がりだこと。


彼は低血圧なのかな？寝起きが悪い、とかよく言うからね






布団の中で優しく抱き締められて、愛蔵のシャツが視界に広がって最高にいい匂いがする




愛蔵の匂いだぁ......体温....ああもう死ねる







そのままもう一度静かに寝息をたて始めた愛蔵を見て、デート多分忘れているなと思う


それに流石に寝過ぎだし








「愛蔵ー！......もう時間！今日デート約束してたでしょ！！」





必死にそう呼び掛けると「あ.....」という声がした





「やっぱり、忘れてた」



「.......う、わ.......ごめん.....」







まだしっかりしていない声だった。可愛いが、ここは少しイタズラして意識を覚醒させるか







「もう知らないよ！デートすっぽかすなんてひどい！.........もう別れる....」







ようっし！我ながらの名演技！これからはアカデミー賞目指そうかな




愛蔵の腕から抜け出そうとすると

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