エレジーは届かない『勇次郎』 ページ23
「ん〜.......ふぁぁぃぃ......」
朝7時
ベッドから転がり落ちた私はそこで盛大な欠伸をした後、ベッドで小さく寝息をたてている勇次郎に言った
「ほらー、起きろ勇次郎ー......」
声をかけても微動だにもしないので体を揺すろうと手を伸ばすと
.
スッ
「え?」
私の腕は勇次郎の肩をすり抜け、貫通して背中から腕が飛び出た
「.........え?」
取り合えず抜いて、もう一度手を伸ばすと
スッ
「え、えええええ!?!?」
やっぱり貫通した..!...?..........
ていうより.....
「私.......透けてる......!?」
自分の両腕を目の前にかざしてみると、ユラユラと向こう側の風景が見えた
ええ!?ええ!?
私.........
「死んじゃったの......?」
人に触れられない腕。届かない声。
そんなの絶対_____
「幽霊......?」
数分間、自問自答していたけどやっぱり私はどれも触れない。御臨終しているようだ
でも私の記憶が確かなら死んだ覚えは一切ないのだ
大きな事故に遭ったり病気になったりという記憶は一切ない
何で自分死んでるんだろ?
そんなことを考えていると「んん.....」と声がした
ハッとなって声がした方を向くと勇次郎が起き上がっていた
「勇次郎!勇次郎!..........あー、聞こえないのか.....」
居るのに、気付かれない
悲しい.......
彼は暫くボーっとしているとちらりと時計を見て青ざめた顔をする
「っっ遅刻!!」
ベッドから飛び起きて慌ただしく動く彼を見ながら考え事をする
やっぱり気付いてもらえてない......
鼻をすすると彼は朝ごはんを作らず食べずパーッと出ていってしまった
「ちょっ......ちゃんと食べなきゃ!」
慌てて彼の後を追いかける
下に降りるとLIP×LIPのマネージャーさんが車を停めていた
勇次郎が後ろの席に座るのに私も続いた
いいよね?だって一緒にいたいし
ガー............と
車の音を聞きながら彼を見つめる
気付いてくれない。そう考えると涙が浮かんでくる
ポタポタと落ちている雫を服のすそで拭うと
「A............もう1年か。..........速いな」
「まあ、僕もあの日は実感が無いし」
エレジーは届かない『勇次郎』→←キャパオーバーは突然に。『愛蔵』
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ソーダ - 凛さん» うわああああ!!!ごめんなさい!!更新遅すぎた上に内容が.....イマイチで.....(泣)ありがとうございます凛さん!!! (2018年5月22日 18時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
凛 - お話でした!すみません.... (2018年5月21日 19時) (レス) id: 9ba27b7b63 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - おぉぉぉ!やっと更新されましたね!!小さいけど大事件お気に入りなので嬉しいです。これからも、キュンキュンするおナシを作っていってくださいねー応援しています! (2018年5月21日 19時) (レス) id: 9ba27b7b63 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - カノン♪さん» ひえー!!すんません恋始ばっかり更新しているもんで今気付きました(泣)!!ほんとありがとうございます!!『小さいけど大事件』はあともういっこ続きを更新するので少々お待ちを!!! (2018年4月23日 23時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
カノン♪ - なんなんですか!この作品は!神すぎやしませんか!?お気に入りは『独占欲と所有欲』と『小さいけど大事件』です!更新ガンバです!!ソーダさんの作品見ないと一日が終わりません! (2018年4月18日 17時) (レス) id: 68b3d0d765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソーダ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月6日 23時