【ハイキュー】音駒の3年マネージャー① (ページ45)

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期末試験ページ45

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『こんな時間まですんませんっした』

「ホントだよ」

少し申し訳なさそう謝る飛雄に、お礼のが聞きたいなと、ありがとうは？と躾をするお母さんみたいな言い方をすれば、素直にあざっした！と元気な声が聞こえてくる。

まさか、なんでコイツそんなこと言うんすか？なんて聞かれると思っていなかったし、ここまで相当道は長かったが、何とか課題を終えることはできた。

「あはは。全然いいよ

今のうちに教え方覚えれば、うちの後輩にも教えられるし」

辞書のひき方も教えたし、文章を読む時のコツなんかも理解できたみたいだったので、烏野には大きな貸しを一つしたなとふんぞり返る。

今度、澤村たちには何か面白いことをやってもらおうと、内心盛り上がっていると、飛雄が赤点を回避するための打開策をふと思いつく。

「…飛雄、

明日クラスの女子に勉強教えてって言ってみな」

烏野特進クラスあるんだから特進クラスの女子に！と付け加えると、不思議そうになんでなんすかと聞き返される。

面がいいから教えてくれるはず…なんてことは言わず、使えるものは使えって言うじゃん？と適当に誤魔化せば、飛雄はなんの疑いもなく、わかりましたと返事する。

まずは爽やかに笑ってから、勉強教えてくださいって言ってねと手順を説明すると、爽やかに笑う必要ありますか？と飛雄は不思議そうにした。

「そこが一番大事なとこだよ」

ほら1回やってみなと練習させようとすれば、うすと真面目に返事して、勉強…を教えてくださいとぎこちなく喋り出す飛雄。

今のは爽やかな笑顔じゃなかったな〜と笑えば、見えてないだろと珍しくおばかな飛雄が気がついた。

「真面目な話、

バレーするみたいに勉強すればいいだけだよ」

1回やってみて、できなかったところを何回も練習して、できるようにする。

簡単でしょ？と言って笑うと、素直で可愛い飛雄はあっという間に私の話に流されて、確かにと最後には勉強に前向きになってくれる。

「じゃあ切るね」

『はい。…テストが終わったら、また電話していいですか？』

もちろん良いけど、出られないことが多いかもと忠告しておけば、わかりやすく嬉しそうな声ではいと答える。

「おやすみ、飛雄」

『…お、おやすみなさい』

そう言って照れくさそうに電話を切る飛雄に少し笑いを零し、私も勉強を再開するかと、スマホの電源を切って机に向き直った。

◇