進路 ページ41
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勉強は助け合い。ってことで今度英語教えてと、手でごまをする真似をする黒尾に、私は驚きすぎて反応しきれない。
「え、え？」
部活やりながら一般…と私が戸惑いながら聞くと、平然とした顔でお前と一緒と私を指さす黒尾。
どんな大学に行きたいのかと私が聞くと、語学に強い大学が第一志望に出てきて、まじでそこ行くの…？と思わず聞き返してしまった。
「いや全然英語は教えるけどさ、」
「では代わりに数学を教えてあげましょう。」
真剣に話しているのに、またすぐにふざけだす黒尾の腕を引いて、私は無理矢理こちらを向かせて目を合わせる。
黒尾なら大学からスポーツ推薦が来ててもおかしくないし、大学でバレーを続けるにも、もっと部活に力を入れている大学の方がいいに決まってる。
「…ねえ黒尾。バレー、続けないの？」
あまりにも衝撃的な話が連続して動揺する中、進学をすると決めた黒尾にふと疑問が湧いて、言うつもりではなかった言葉まで溢れ落ちる。
もちろん大学に入ってからバレーをする方法はいくらでもあるが、黒尾がわざわざ一般で進学したい理由はなんだろうと考える。
「んな顔すんなよ」
ぽんっと黒尾は大きな手を私の頭に乗せて、単純に視野を広げたいんだと笑って言う。
今すぐその顔直して戻んないとまた後輩が心配すんぞーと歩き出す黒尾に、また大事なところは一人で抱え込むのかと不服だったが、こればかりは自分から話してくれるのを待つしかない。
私どんな顔してた？と聞いて黒尾のあとを追いかけると、思いっきりふざけた変顔で返された。
「っぶふ、やばいブスすぎ！」
「お前の真似だよ」
「ぶん殴るぞ」
◇◇
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作者名：西川あや | 作成日時：2022年10月7日 1時
