東北遠征 ページ22
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「信じてくれないなんて飛雄とは絶交しよ！」
「Aさん、ほんと変わんないっすね」
「ガキで悪かったな」
いいもん。そこが私のいい所だもんと私が開き直っていると、面倒くさそな顔をしてるかと思えば、飛雄は珍しく穏やかな顔で口元を緩める。
「なんか変わったね」
翔陽くん達といるせいかな。表情がよく変わるようになったし、なんだか笑うことも多くなった気がする。
「…飛雄ちゃんさ、バレー楽しい？」
そう質問する私に対して、飛雄と飛雄に掴まれている翔陽くんは不思議そうに首を傾げる。
じっと真っ黒な瞳を見つめていると、翔陽くんを一瞥してからこちらを向き、はいとゆっくり頷いた。
「そっか、よかった！」
そう言って私が笑うと、飛雄は意味がわからないとでもいうように顔を顰め、ちゃん付けやめてくださいとすかさず言ってきた。
◇
解散の時が迫り、各々が挨拶を交わす中、私は潔子ちゃんの手を握りながら長話を続ける。
「潔子ちゃん、
お盆に宮城行ったら絶対連絡するからね…！」
「うん、楽しみにしてる」
2人で買い物行こう！美味しいもの食べよう！とひたすら盛り上がっていると、監督たちの移動の指示により私たちは駅の方向へ向かう。
最後、烏野のみんながこちらに大きく手を振っているのが見えて、私もそれに応えるように精一杯手を振り返した。
◇◇
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作者名：西川あや | 作成日時：2022年10月7日 1時
