ウチの子【K.Ninomiya】 (ページ41)

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深夜1時頃。

…ガチャ。

「ただいま～。」

小さめの声でそう言うと、寝室に直行する。

そっと扉を開けると、可愛い可愛いウチの子が布団に包まってスヤスヤ寝てる。

それを確認して、Aを起こさないようにサッとシャワーを浴び、再び寝室へ行き温かい布団の中に潜り込む。

Aの規則正しい寝息だけが聞こえる寝室。

そんな愛おしい彼女の柔らかい髪にソッと指を絡ませる。

毎日一緒にいる。
Aは本当に俺のことを見てくれていて、小さなことに気付いては、俺を気遣ってくれる。

今回のことも本当に無意識で、腰を庇ったりしてたのを見ていたんだろう。

仕事だし、あんまり腰が痛いとかそういうことは言わないようにしてる。

みんなしんどい思いして働いてるんだし、自分だけ腰が痛いからなんて甘えてられない。

だけど、最近は長時間立ってるのがしんどくて、合間見つけてはどこかに座ったりしないとキツイから、そういうのを笑いに変えて何とか乗り切ってた。

だけど、Aはそんな俺の行動を見て気付いてたんだな。

「ほんと、ウチの子には敵わないなぁ(笑)。」

俺には直接何も言わないけど、それもAの優しさで、仕事のことをとやかく言われるのがあまり好きじゃない俺を気遣ってのこと。

そんな彼女の存在が本当にありがたいし、俺はAがいないとダメだなって改めて思った。

「A、ありがとね。大好きだよ。」

普段恥ずかしくて言えない言葉を囁いて、Aにチュッとキスすると、心なしかAが笑顔になった気がした。

そんなウチの子を両手で優しく包み込んで、身体をくっ付けて眠りに落ちる。

それが俺の至福の時間。