ウチの子【K.Ninomiya】 (ページ21)

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………トントントン。

規則正しいその音で、薄っすらと目を開ける。

俺の身体にはブランケットがかかってる。
すんごく暖かい。

この音はAの包丁の音かな。
今日は豆腐ハンバーグだっけ？
ハンバーグ、久々に食うな。

ん？
…ご飯？
晩ご飯…！？買い物！？

買い物に一緒に行くって言ったことを思い出して、ガバッと勢いよく起きる。

A「あ！かずくん、おはよう♪」

「ごめん！俺、寝ちゃった。」

A「ん？あぁ！大丈夫だよ？ほら、もうこの通り！ちゃんと買ってきたから♪」

そうやってスーパーの袋を俺に見せる。

「…ごめん。」

予想外に凹んでる俺が気になったのか、料理をしていたAが手を止めて駆け寄ってきた。

A「かずくん？そんな気にしなくていいよ？今日は早かったから眠たかったんでしょ？私はかずくんが仕事行った後、また少し寝たし。その分働かなきゃ、私ぷくぷく太っちゃう！カロリー消費！」

「…太っても、俺は好きだよ。」

A「え！けど、女の子としては太りたくないなぁ～(笑)」

「まぁ…できれば現状維持を希望するけど。」

A「んふ♪じゃあ、頑張りま～す！！」

こうやっていつもさりげなく、でも簡単に俺の気持ちをコントロールするA。

さっきまでの申し訳ない気持ちを、一瞬で明るいものに変えてくれる。

Aといると居心地がいい。

A「ね、かずくん！昨日やってたゲームのボス、クリアしたの？」

「まだ。あいつ強いんだよね。」

A「じゃあほら！今、やって見せてよ！ご飯できるまでにクリアすること！」

「…あいあいさ～！」

やっぱりさ、ウチの子天才だわ。