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タコパ ページ7

「千冬下手過ぎる」
「お前何でそんな真ん丸になんの!?」




あの後、「Aの顔見てたら、たこ焼き食いたくなった」とまぁ、失礼な言葉を頂きまして、ウチで二人タコパをする事に。




「周りの生地も一緒に巻き込んで、こう!」
「おー!」




えっへん!と胸を張れば、
千冬は目を輝かせ、正座に座り直し拍手をパチパチ。




「千冬もおかわりいる?」
「あ、もらうわ」




冷蔵庫を覗けば、六缶あったビールは二缶に。


千冬まだ飲むかな?




「どぞ〜」
「さんきゅ」
「ラストビールだよ!買ってこようか?」
「危ねぇからいいよ」




ほら出た。
そうやって思い出したかのように、優しくしてくる。



私みたいなちんちくりんにこんな優しかったら
本命彼女にはどうなんの!?
門限三時とか言い出すんじゃないの!




「うぉー!見ろよA!真ん丸!」
「すごいじゃん!写メ写メ!」




綺麗に出来たたこ焼きを指さし
ニッコリ笑う千冬。


待ち受けにしたいんだけど!!




「腹いっぱいになってきた」
「私も…、ビールも相俟ってね」
「だな、焼酎にすればよかった」




ふぅって千冬が背もたれに腕いっぱい広げて座り直した。


私はそろそろ片付けをしようと
残ったたこ焼きを、お皿へと移す。




「なぁ」
「んー?」




天を仰いで静かに呟く千冬。どうしたんだろ?




「人助けしたんだろ、今日」
「人助け…、あぁ!したした!」
「一虎クンと」
「知り合いなの?」
「俺のとこで働いてる」
「あー!」




思い出した!


千冬がよく口にする名前だ。
一虎クンが餌やり忘れたから、もう一回店行ってくるとか。




「聞いた事ある名前だと思った!」
「……どうだった」
「え、わかんない…たぶん無事だと思うけど…」
「は?何の話?」
「おばあさんのその後でしょ?」
「バカッ!ちげぇよ!」
「へ?」




前屈みに座り直し、私をじーっと見つめるグリーンの綺麗な瞳。




「一虎クン」
「良い人だったよ?」
「それだけ?」
「うん、身近にあんなイケメンがいるのに驚いたくらい」




あはっ、と笑ってタコ焼き機を洗おうと
キッチンへ向かう。


その腕を千冬が勢い良く掴んだ。




「わわわ!危ないよ!これ重いんだか、」
「惚れたってこと?」
「え?今日しか会った事ないのに!?」
「一目惚れとかあんじゃん」




あまりに真剣な表情で言うもんだから


一瞬、言葉に詰まってしまった。

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みい - 面白かったです! (5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております!でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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