午後4時30分

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先輩たちはとても優しい人ばかりで、私たちが困っているときはすぐに手を貸してくれるし、


“Aちゃん！”って気さくに話しかけてきてくれる。









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けれど北斗先輩は違う。









北斗先輩とは本当に話す機会がない。


というより、その機会を先輩自身がくれようとはしない。









1度先輩たちとお話をしている時、









「どう？俺らとかなり話せるようになった？」








そんなふうに樹先輩が聞いてくれた。









「そうですね。

ただ、北斗先輩とはまだ1度も、」


「うーん、北斗はいっつもあんな感じだからなぁ」


「というと？」


「人見知りというか、クールというか、みたいな。

心を開くまではなかなか話そうとはしないだろうなって感じ」


「そうなんですね」









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樹先輩の言葉通り、北斗先輩はなかなか私たちマネージャーと関わろうとはしない。


“こんにちは”、“お疲れ様です”って挨拶したって目を合わせてくれることは無い。









「北斗先輩ってなんであんなに無愛想なの？

挨拶しても何も返事してくれないとかなんかテンション下がっちゃうなぁ」




ってよく梓沙は呟く。









でも私は知っている。


彼は決して無視なんてしていないことを。









とても小さくて微かだけど、俯きながらだけど、


「おつかれ」


そう返事してくれていることを。

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