◆Epilogue 01 ページ41
──昨日6時ごろ、ジャルドーレ通り周辺の路上で男性が血を流して倒れているのを、近所に住む五十代の女性が発見しました。男性は病院に搬送後、死亡が確認されました。死亡したのは、ジャルドーレ郊外に住むエドワード・ラングリッジ氏(21)と見て調べを進めています。
バサリと新聞を乱雑に畳むと、長めの金髪を一つに束ねた青年はパチパチと爆ぜる焚き火の中へと放り込んだ。新聞は炎に蝕まれ、見る見る内に灰となって消えていく。
「死因は内臓破裂、切り裂き事件とは関係ないかと思えば、周辺から刃物が出てくるわでよく分かんねぇ事件だよな」
「それ、何処情報だよ」
「ヤードに知り合いがチラホラとね」
焚き火の上、簡易的に組み立てられたトライポッドに吊るされた鍋に適当にカットした野菜を放り込みながら、ロベルティーネはスープを掻き混ぜる。
午前7時23分、早朝からする会話とは到底思えない物騒な話をする青年──シャルロ・ヴィッカーズは茫然と燃え盛る炎を見ながら呟く。
「内臓スクランブルとか良いよね。腹の中で胃も、腸も、肝臓も、肺も、膵臓も、心臓も、血液とかその日食べた物も一緒にぐっちゃぐちゃになって、絶対痛いよねー。だって、ぐっちゃぐちゃよ? 痛い所か、即死だっての 」
「テメェ、食事前にグロテスクな事言ってんじゃねぇよ」
「あはー、ごめんね」
誠意が全く込められていない謝罪に続き、「でもさー」と恍惚とした表情で規制必須の単語をつらつら再び並べるシャルロをスルーしながら、キッチン──教会には、隣に小さな離れが隣接しており、そこには必要最低限の生活設備が整っている。因みに、寝床だけは教会の二階、屋根裏部屋にひっそりと備えられており、非常に不便──から持ってきた塩と胡椒を振って、スープの味を整える。 味のベースは昨日買い出しした際に安売りしていたチキンで作った鶏ガラスープである。昨日、チキンを焼いて食べ、残った骨を綺麗にしてから、野菜と共に一晩煮出したのだ。無音の死神ならではとは言わないが、彼女らしい骨の活用法である。
そこに一口大にカットした芋やにんじんを入れただけの、お手軽野菜スープである。味は少々薄味だが、今更ホワイトソースやデミグラスソース等は作れない為、ロベルティーネはこれで妥協する。
すると、そこに紙袋を抱えた少年──否、少女が白金色の髪を靡かせ、離れがある方向から駆け寄って来る。それに気付いたシャルロが「ヴァル〜」と愛嬌たっぷりに手招く。
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十二月三十一日(プロフ) - づみさん» 有難う御座います。読んで頂き光栄です。更新頑張りますので、今後共宜しくお願いします。 (2018年3月3日 2時) (
レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
づみ(プロフ) - お話がとても好きです、更新たのしみにしています。頑張ってください〜 (2018年3月2日 16時) (レス) id: 688586594f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十二月三十一日 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月18日 21時
