8章 対面 ページ39
「……今から"Ｑ"に会ってもらう」
あれから数分後
迷路のような通路を歩き続け、私達は一つの扉の前に立っていた
いかにも重そうな、鉄で造られたその扉は中にいる"Ｑ"と云う人間を封印しているかのようだ
あながち私の解釈は間違いでは無いのだろう
中原さんが右手を出し、ぐっと力を入れると鈍い音を出しながら扉がゆっくりと開いていく
……多分異能を使って開けてるんだろうなぁ
その先にも奥が見えないほどの長い下りの階段が続く
灯は小さなものが必要最低限で、奥に進むほど鉄の臭いがツンと鼻につく
何人もの人間が、死んだのかな
1番奥までついた時
私の目にはしっかりとした鉄格子の向こう側に座り込む1人の少年が写っていた
黒と白の髪
黒色の小さな帽子に黄色のマフラー
手には喩えるなら死人のような気味の悪い人形
そして
子供らしからぬ雰囲気を持つ彼の眼は
『……君の眼は、純黒だね』
小さく私は呟く
色彩的なことではなく、光が無い
こんな眼は普通の人間からは見ることなんてほぼ有り得ない
他人を恨み、自分を嫌い、世界を怨む
そんな眼だから
「お姉さんはだれ？」
少年は薄ら笑みを浮かべて私に聞いた
そんな彼に私はにこりと微笑みながら答える
『私は、夢城 A』
『君をここから出して一緒に行動するように頼まれています』
『忌み嫌われる異能の人間同士、仲良くしてね
Ｑ君？』
と、同時にガチャリと南京錠の開く音が鳴った
中原さんが開けてくれたらしい
そのまま私は中へ入り座ってこちらを見つめる彼に手を差し伸べた
「……僕は"夢野久作"だよ」
「よろしくね！僕と一緒のお姉さん！」
彼は私の手を強く握り返した──────
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錐 - みたらし団子をお手洗い団子と読んでしまった・・・ｗｗ (2018年3月28日 14時) (
レス) id: 42d712d7a6 (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉。(プロフ) - めろんぱんさん» なるほど。 (2018年3月21日 0時) (レス) id: ec7a4f0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 硝子玉。さん» ご意見ありがとうございます！たしかに夢は浅い眠りの時ですが、夢主の異能で眠らせると"深い眠りかつ夢を見る"という設定ですので、異能力だからだと思って頂けるとありがたいです…… (2018年3月19日 17時) (レス) id: 190690f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉。(プロフ) - 夢を見るのは浅い眠りの時ですよ。 (2018年3月19日 16時) (レス) id: ec7a4f0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - りんずさん» ありがとうございます！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: 190690f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2018年3月12日 19時
